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金崎内科医院

〒362-0812 埼玉県北足立郡伊奈町内宿台3-40

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院内報2024年5月1日号を掲載しました

桜もあっという間に散り、あっという間に5月、そしてあっという間に暑くなりました。もう今から夏に備えなければいけないようです。

<かぜ情報>

インフルエンザと診断される方はほとんどみられなくなりました。新型コロナウイルス感染と診断される場方も少ないですが、決してセロではなく当院でも一日一人はいる状態が続いています。溶連菌感染もまだ多いです。小児では喘息や気管支炎になりやすい風邪がやや多いです。保育園や幼稚園に新たに入園した小児の風邪が多いです。全体的は発熱外来で受診される方はピーク時よりは少ない状態が続いています。

<療養計画書の作成と同意署名について>

6月から診療報酬改定で、糖尿病・高血圧・高脂(コレステロール)血症で定期通院されている方には療養計画書という書類を医療機関が作成、公布することが定められました。当院でもこれまで糖尿病で受診されている方には毎回検査結果の用紙をお渡ししていると同時にスタッフや医師から口頭で指導・助言をさせていただきました。高血圧、高脂血症についても血液検査の結果があればお渡しするとともに主に口頭での指導・助言という形でしたが6月からは文書化したものをお渡しすることになります。毎回の診療という訳ではないようですが(この辺りはまだ流動的です)、初回の計画書にはご本人の同意の署名をいただくことになっております。6月や7月は診療の際にこの手続きでお手間と時間をおかけしてしまうことになりますがご理解いただけますと幸いです。尚、今回の診療報酬改定では全体の診療費はやや減額(安く)となります。またインスリンや他の注射製剤を使っている糖尿病の方や、心疾患など他の一部の疾患でも治療中の方はこの計画書の対象外となります。

<糖尿病コーナー>

大河ドラマ「光る君へ」の4月29日の放送で藤原道長の兄、道隆が亡くなる様子が描かれていました。飲酒ばかりしている様子がそれまでの放送で描かれていましたが、この日は水をがぶ飲みしており、「飲水病」ではないかと噂されていました。道長が糖尿病であったことは有名ですが、飲水病とは現在の糖尿病にあたるとされています。2型糖尿病は遺伝性の要素が強いのですが、道隆の死の様子はまさしくそれを忠実に描写していたわけです。さてここで気になるのが道隆はお酒を飲みすぎて糖尿病になった、あるいは悪化したのか?ということです。今でも道隆の2次資料などではそのように書かれているものが多いです。患者様からも糖尿病なのにお酒を飲みすぎだ、と家族に言われてしまう、といった話をよく聞きます。この辺りにやや誤解があるかもしれないで簡単に解説します。まず、アルコール自体に血糖値を上げる作用はありません。むしろ血糖値を下げる作用があります。しかし、やはり飲酒の習慣がある人が飲酒を控えると血糖コントロールが改善することはよくあります。ここが複雑なところです。飲酒によって食欲は上がります。また夜の遅い時間まで持続的に(短時間で終わらずに)飲酒してしまいがちです。これによって多くの場合、ツマミや食事の量が増えてしまったり、遅い時間まで食べ続けてしまったりします。酩酊していればむしろ歯止めが利かなくなります。アルコールは血糖を下げますし、胃腸を動きも活発するので食欲旺盛となりますます食べてしまいます。「締めのラーメン」となってしまうのです。飲酒を控えるとこの悪循環がなくなり、結果的に全体的な血糖値の低下となる場合が多いのです。
最近は糖質が少ないお酒が販売されており、糖質が少ないことで安心されている人が多いようですが、そもそもアルコールを飲むということ自体の影響が大きく、含まれる糖質の影響が少ないことのメリットはそれほど大きくないと思われます。むしろ糖質が少ないことで安心してかえって飲酒量が増えてしまうことの方が問題です。もちろん、糖質の少ないお酒の方が望ましいのは間違いありません。例えばカクテルや酎ハイの甘い味のものには糖質が多く、ジュースに匹敵するくらいの糖質が含まれていますので要注意です。ちなみに缶ビール1缶(350ml)には約9gの糖質が含まれています。角砂糖3個分です。甘いジュースなどはペットボトル1本あたり角砂糖10個以上の糖質が含まれていますのでそれよりはずっと少なく、またコンビニのおにぎりには糖質が約40~50g含まれています。あくまでも比較参考する感覚をもっていただきたいです。最近多い「糖質ゼロ」のような表記は100mlあたり0.5g以下の糖質という意味で決して本当の「ゼロ」ではありません。缶ビール1缶あたり最大で1.5gの糖質は含まれている可能性はあります。お酒は適量にするのがなかなか難しいので人によってはこちらからいったん禁酒することをおすすめすることがあります。血糖値のコントロールを安定させるためにもなんとお酒とうまく付き合っていただきたいです。※過度のアルコール摂取を長年続けたことによって、肝機能障害(肝硬変など)や膵機能障害(膵炎など)になると血糖値が不安定になりやすくなります。

<院長の日記>

今、古代史が熱いです。その象徴が昨年奈良県の富雄丸山古墳で発掘された「蛇行剣」です。蛇行剣とはその名の通り真っ直ぐではなく剣の胴(刃)の部分が曲がりくねったもので実際の戦闘用というよりは祭事用のものではなかったかと考えられています。今回発見されたものは2mを越える長さで驚異的なスケールです。この古墳は4世紀後半に作られたものと推測されており、当時の日本にこれだけのものが作れる程の製鉄技術があったことが大きな発見です。さてこの時代は今では古墳時代と呼んでいますが、特に卑弥呼について記述(魏志倭人伝)がある3世紀から5世紀の倭の五王の記述(宋書)までの期間は記録がないため空白の100年と呼ばれています。ちなみに倭の五王の一人「武」(推定では雄略天皇)の事が記された金錯銘鉄剣は私たちのすぐ近くのさきたま古墳群から出土し国宝になっています。
さて、当時の日本ではまだ文字で記録する文化(技術)がなく中国の記録しか参考にできないためこのような事態になったのですが、この100年は卑弥呼の邪馬台国から大和の統一政権ができるまでの期間にあたり今日の日本という国の起源の時期となります。文書がない以上、発掘された「物」で推測するしかありません。考古学によって古代史は私の世代が中学や高校で習ったものとはだいぶ変わってきています。例えばかつては縄文時代の後に弥生時代がくる、と習いましたが、縄文文化と弥生文化はまったく別でかつ同時代に共存していたというのです。縄文文化の担い手は日本列島土着の民族によるものである一方、弥生人は中国や朝鮮半島から渡ってきた民族(正確には縄文人との混血も多い)とされています。そして現在の日本人の多くはこの弥生人の子孫です。今の沖縄諸島や北海道の先住民(アイヌなど)は縄文系とも言われています。
さて、そもそも教科書に「古墳時代」という記述もなかったように記憶しています。古墳からの発掘が続き、今後もこの発掘をもとに新しく歴史が作られていくのを象徴しているようですが、発掘が多すぎることでかえって諸説が次々に提唱されて混乱している状況でもあるようです。邪馬台国が九州にあったのか、近畿にあったのかの議論は有名ですが、最近では「三角縁神獣鏡」についても諸説入り乱れています。三角縁神獣鏡は邪馬台国時代から古墳時代の遺跡で発掘されています。現在では数百点にも上るとされています。大きく分けて上等なものとそうでないものに分けられるのですが上等なものは中国(魏)で作られたものでそうでないもの(へたくそなもの)は日本で作られたものとされています。そして魏志倭人伝では鏡が邪馬台国に100枚送られたとの記述があることからこれが三角縁神獣鏡ではないかと言われています。ところが中国から三角縁神獣鏡が一枚も出土していないのです。ではいったいどここら来たのか?日本でそれだけのものを作れる技術があったのか?やはり「物」だけでは歴史を作っていくのは大変なことのようです。しかし「物」は当時に人々の営みを宿している不思議な魅力があります。まさに歴史のロマンです。今回の蛇行剣はあまりにも視覚的にインパクトが強く人々の想像力をかきたてるには十分すぎるくらいのものだと思います。