2026/07/08
長年にわたりずっと仲の悪かった国がついに戦争を始めました。
お互い引くに引けずにこじれてしまっています。
もう「勝手にしろ」と言いたくなりますが世界中に迷惑をかけているのでそうも言っていられないのがもどかしいところです。
6月はふつうの梅雨らしい天候でした。
昨年は猛暑の合間に時々梅雨という感じでしたので今年は覚悟していた暑さがやってくるのが遅れて少し得をした気分です。
これからの2か月はそうはいかないでしょう。
ヨーロッパでは各地で40度を越えて死者がでているそうです。
梅雨明けの暑さは特にキツイので、しっかり対策をしていきましょう。
<かぜ情報>
かぜ症状で受診される方はそれほど多くなく落ちています。
新型コロナウイルスもほとんどみられません。インフルエンザも同様です。溶連菌がやや多いです。
手足口病やヘルパンギーナなど子どもの夏特有の感染症が増えてきました。
<伊奈町特定検診の開始について>
6月15日から毎年恒例の伊奈町の特定検診が始まっています。
伊奈町在住の国民健康保険証か後期高齢者証をお持ちの方が対象です(オプション検査となっている胸部レントゲンや大腸がん検診:便潜血などは社会保険に加入の方でも受けられます)。
対象者には伊奈町から案内(受診券)が届きます。当院でも接種券が届いた方から予約を受け付けます。
今年も昨年同様、10月末までとなります。毎年9月以降は予約がとりにくくなる可能性もありますので早めの受診をお勧めします。
前号でも書いたとおり、骨粗鬆症検診の対象者になっている方(40歳以降の5歳刻みの年齢の女性)はこの機会の受診をすることをお勧めします。
<キャッシュレス決済機の導入について>
以前お知らせしたキャッシュレス決済機の導入ですが、クレジットカード支払いなどの審査を受けるため導入が遅れておりました。
審査は終わり設置が可能となりましたので7月中の導入となりそうです。
最初はお互いに(?)不慣れでご不便をおかけすることもあるかもしれませんがご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
<糖尿病コーナー>
インターネットや週刊誌などで「マンジャロ」という薬について話題になっているようです。
「糖尿病の薬のマンジャロがやせ薬としても効果がある」ということで美容外科など保険診療外で使われているそうです。
当院に通院されている糖尿病をもつ患者様の中でもこの薬を知っている方は多いようで、お問い合わせや時には処方希望のお申し出をいただくことはあります。
マンジャロは週に1回だけうつ注射薬です。注射薬といってもインスリンとは違います。
注射器はとてもよくできていて、自分で針を操作することはなく目にすることもありません。「ハンコ」を押す感じのものです。
血糖値を下げる効果がとても高いうえに体重も減る作用も確かにあります。
量を徐々に増やすことができて、2.5㎎から始めて5、7.5、10・・・と2.5mgづつ増やすことができます。
食欲を抑える作用もあり、使いはじめは多少の気分不快感もでることがあるため体に慣らすために少ない量から少しづつ増やしていきます。
体重も下がることが多いのですが、100人近く処方してきた印象としては少量でも血糖を下げる効果が得られやすい一方で用量を増やしていってはじめて体重が下がってくる場合が多いようです。
ただし個人差もあり、稀に血糖があまり下がらないケースもあります。
繰り返しますが保険診療では糖尿病でしか使えません。
一方で、マンジャロとまったく同じで名前が違う「ゼップバウンド」というものは糖尿病がなくても肥満症でも保険診療で処方は認められています。
ただし、この場合の基準はとても厳しいものになっています。
まず、認定された医療機関のみで可能です。
その場合でも栄養指導など6ヶ月以上ダイエットプログラムに取り組まなければいけません。
それでも効果がない場合に初めて処方が可能となります。
近隣で認定を受けている病院は一つしかありません(伊奈町にはありません)。
要は、マンジャロは糖尿病の治療薬として優先的に使用されるべきで肥満の治療薬として使われることで糖尿病の診療への供給不足になることを避けなければいけいない、ということと、副作用なども考慮して医師の管理のもとで使用されるべきというスタンスになっているのです。
<院長の日記>
あるヴァイオリニストの追っかけをしております。フランス人のジェラール・プーレ氏です。御年、なんと87歳。
私がプーレ氏の名前を知ったのは一昨年の秋でした。
大学時代(福島県立医科大学)の管弦楽部の先輩のある先生(コントラバス奏者)からプーレ氏を福島市に招いての演奏会を催すということでお誘いをいただいて聴いたのがきっかけでした。
プーレ氏は1938年生まれで、父親はドビュッシーと親交があったガストン・プーレです。
パリ音楽院に11歳で入学し、18歳でパガニーニ国際コンクール優勝。
プーレ氏自身が教えを受けた人物はフランチェスカッティ、メニューイン、ミルシテイン、シェリングなど錚々たる伝説的なヴァイオリニストです。
数々のメジャーオーケストラと共演を重ねるなど充実した演奏活動を続けるとともに母校であるパリ音楽院などで教鞭をとり後進の育成にも熱心でした。
血筋、演奏キャリア、教育者、すべてにおいて超一流です。
日本では東京藝大などで非常勤の教鞭を執っていましたがパートナーの日本人ピアニストと演奏活動を続け、今ではフランスと日本で1年の半分ずつを過ごしているそうです。
プーレ氏はメジャーレーベルで録音がないために私を含め一般の人には知られにくい存在だったのかもしれません。
プーレ氏がいまだに有名なヴァイオリン協奏曲を録音として残していないのは実に惜しい、という声がプーレ氏と親交のある日本人の中から挙がるようになり、3大ヴァイオリン協奏曲(メンデルスゾーン、ベートーヴェン、ブラームス)を録音するプロジェクトが立ち上がりました。
その中心メンバーが若き医師でヴァイオリニストでもある近藤諒先生です。
メンデルスゾーンの協奏曲を2023年に自身の立ち上げたオーケストラとの共演でCD化しました。
指揮者はヴァイオリニストで東京藝術大学の学長の澤和樹氏です。
続いてベートーヴェンを2024年に同じく澤和樹氏の指揮で藝大フィルと共演、そしてつい最近、別のアマチュアオーケストラとですがブラームスの録音を終えたとのことです(8月に発売予定とのこと)。
前述の私の大学時代の先輩の先生は近藤先生とはたまたま同じ職場であったことから音楽の仲間にもなり、プーレ先生との協奏曲や室内楽での共演や近藤先生自身が指揮する新たなオーケストラ、銀座交響楽団にも参加されています。
その先生を通じて私もプーレ氏の演奏を知ることとなり、多くの人に知っていただきたくこうして文章を書くに至っております。
プーレ氏の音はやはり「柔らかくて美しい」という言葉につきると思います。
いかにもありきたりな表現ですが、演奏を聴いた後はいつも「ヴァイオリンの音はまず美しくなければいけない」というメッセージのようなものを感じます。
現在のヴァイオリン奏法のトレンドとしては、高い演奏技術を背景にした正確無比で、キレのある演奏が追い求められているように感じます。
大きなホールでの演奏を想定しているため音量も大きいです。
しかし、プーレ氏はおよそこれらとは違う奏法をされています。
懐古的と言われてしまうかもしれませんが結果として聴衆の一人としてはこちらの方に惹かれます。
ホールよりもサロン向きとも言えるかもしれません。
時代や国を問わずレパートリーも実に多彩なのですが何と言ってもフランスものは絶品だと思います。
なかでもやはりドビュッシーです。3月の演奏会ではフランクのヴァイオリンソナタの後、アンコールではなんとドビュッシーのヴァイオリンソナタの第1楽章を弾いてくれました。
高齢にもかかわらずとても若々しくて精力的です。
アンコールは3曲くらい弾いてくれます。演奏会も頻回に開催しています。私も今年は6月までに既に4回聴きました。
プーレ氏は若々しいといってもやはり高齢です。クラシック音楽になじみがない方も是非一度、生演奏に接してみてはいかがでしょうか。

