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金崎内科医院

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院内報2020年5月1日号を掲載しました

4月は天気も気温も不安定だったように感じます。実際、4月の平均気温は10年ぶりの低さだったようです。一般的には多くのウイルスは紫外線と高温に弱いとされています。もちろん夏に子どもに特徴的に流行する例外的ウイルスもあります(コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなど)。誰もが願っているというかあてにしているのがコロナウイルスが夏の気候で流行しにくくなってくれるという可能性です。科学的な根拠はありませんが私も可能性はあると思います。それだけに4月の寒さは恨めしく感じてしまいました。でも今年の冬は暖冬でしたね。インフルエンザの流行も記録的な低調でした。自然はそこまで人間に都合よくしてくれませんよね。

<かぜ情報>

やはり休校や自粛のせいか、かぜで受診される方はかなり少なくなっています。あるいは軽いかぜ症状だけの場合は自宅で療養しているのでしょうか。例年のように4月から保育園に入園したばかりの1歳前後のお子さんが風邪をひいて受診されるケースが増えています。

<当院での新型コロナウイルスウイルス感染対策の取り組みについて>

新型コロナウイルスウイルスの院内での感染防止のため、以下のような体制をとらせていただいております。
まず、発熱や息苦しさ、味覚嗅覚などの異常がみられた場合には院内に入る前に受付に外からお電話をしていただきます。準備ができましたら隔離室にご案内いたしますがそれまでは車内にて待機していただきます。自動車はなるべく奥の駐車場にとめていただくようにお願いいたします。隔離室にご案内する際にも通常の正面玄関ではなく別の通用口から入っていただくようにご案内いたします。尚、症状によっては車内で診察させていただく場合もあります。また、車での来院ではない場合にはなるべく速やかに別室に誘導いたします。
受診の予約ですが、発熱などの症状がある場合にはネット予約は使わず、直接当院にお電話いただくようにお願いいたします。他の患者様と接触が少ない時間をご案内いたします(午前は11:00台、午後は16:00台)。特に症状がなく定期受診で来院された際も受け付け横に備え付けのアルコール消毒液で手の消毒をお願いすると同時に非接触型体温計にて体温をチェックさせていただきます。
院内は定期的な消毒と換気を行います。職員の毎朝の検温を実施いたします。

院長の日記

SARSというやはり重症肺炎を起こすコロナウイルスの流行を覚えているでしょうか。2002年から2003年にかけて中国から香港、台湾を中心に約8000人の患者が発生し、約700人が亡くなりました。さらにMERSというのもありました。これを知っている人は少ないかもしれません。2012年から2013年にかけて中東地域(MERSのMは中東を表すMiddle eastからきています)に発生し約2000人が感染し約800人が亡くなりました(致死率30%以上)。これもコロナウイルスです。そして今回2020年から始まった世界的な流行も新型コロナウイルスです。今回のCOVID-19とSARS、MERSとの違いは圧倒的な患者数の多さです。SARSとMERSは無症状の人からは感染しなかったとされています。そのため患者を見つけて封じ込めることができたのです。どちらが「たちが悪い」か?MERSの致死率は怖いですがやはり今回のCOVID-19の方でしょう。こうしてみるとコロナウイルスが20年前から突然人間に牙をむけるようになり約10年周期でやってきているようにも見えます。人類はインフルエンザとの付き合いは長いのですが、コロナウイルス関しては全く新しい事態とも言えるかもしれません。しかしコロナウイルスは普通にかぜウイルスとして存在していました。インフルエンザと同様に冬に流行するウイルスです。SARSも7月で終息しています。しかしコロナのパンデミックは記録されている限りでは初めてのことなので不確定要素だらけです。
インフルエンザはこれまで新型のパンデミックを繰り返しており今後もまた別の新型インフルエンザの流行が想定されます。その最有力候補が鳥インフルエンザの変異です。実際、各国でも一応は想定していて、今回COVID-19に効果が期待されているお薬「アビガン」もそのために備蓄していたものでした。あるウイルスのパンデミックが完全に終息するのは多くの人が免疫をもつ(集団免疫)までというのが分かりやすい想定です。しかし、現在のCOVID-19に対して集団感染をもつまで待つには相当な時間が必要かもしれません。台湾など感染拡大阻止に成功している国ほどかえって時間がかかってしまうのでしょうか。ワクチンで免疫を付ける方法がありますが、インフルエンザのような不活化ワクチンでは麻疹や風疹のような生ワクチンと違って感染したと同様のレベルの免疫がどこまでつけられるのかわかりません。実際にインフルエンザワクチンを毎年うっても毎年かかってしまう人もいます(インフルエンザウイルス自体が変異してしまう背景もありますが)。一方でインフルエンザウイルスの感染の歴史をみると集団免疫とはあまり関係なく急に治まったり、あるとき局所的に感染が広がったりしたというケースもありました。つまりそれだけウイルスの動向は読めないことが多いということだと思います。今回のCOVID-19で理解できないことの一つが欧米とアジアで感染の広がりかたが明らかに違うことです。確かに初動対応に違いがあったかもしれませんが、それだけではない何かがあるように感じます。アメリカなどは国家のリスク管理は徹底しているはずで、世界に誇るCDCをもちながらむしろ世界一の感染者数になってしまいました。本当に不思議です。一方では例えば台湾でうまくいっているのはSARSの教訓があったからだとも言われています。中国でもSARSで陣頭指揮をとった専門家の意見を今回も国が積極的に採用したと言われています。武漢を閉鎖し、専門病院を作り、中国全土から医療スタッフを集めたという手法も国家の威信をかけたものでした。失敗したら体制が転覆してしまうという我が国では想像できない危機感もあったことでしょう。ちなみに日本ではSARSの患者は発生しませんでした(韓国では3人だけでした)。結局のところ感染拡大に影響する要素が多くて複雑なのでシンプルなモデルでの説明は難しいとういことでは間違いないでしょう。その中で地味ながら効果が着実に期待できる対処を実践していくしかありません。それが人同士の接触を控えるということなのでしょう。

<糖尿病コーナー>

4月も3月同様に血糖が上がってしまった人はそれほどいらっしゃいませんでした。やはりHbA1cが下がった人の方が多い印象です。自宅にいる時間が多く、運動不足からの血糖上昇を心配されている患者さんも多いですが、やはり睡眠時間や食事の時間が規則的になったりしたことなどもあるのでしょうか。さらには外食が減ったことも影響しているかもしれません。ご高齢の方はあまり動かない状態が続くことで筋力や体力の低下が懸念されるようになってきます。テレビでの体操、インターネットを見ることが出来る場合には体操を紹介する動画がたくさん見られますので是非利用してみてください。ご家族の方もご協力をお願いします。前月も述べたように規則正しい生活は血糖が下がりやすくなるだけでなく体力や免疫力の維持にも寄与しますので、規則正しい生活リズムを大事にしていただきたいです。