2026/02/05
指を紙で切ったり、自然にひび割れたりで指の傷が絶えません。毎日ハンドクリームを塗らないと傷は増える一方です。
日本海側や北日本では記録的な雪の一方でこちらは乾燥が続きます。敷地内や周辺の道路もいったん汚れると雨が降らないのでいつまでもそのままになってしまいます。
潤いへの渇望が今シーズンほど感じられる冬はなかったと思います。
<かぜ情報>
1月中旬からは再びインフルエンザが増えています。B型が中心です。A型が減少した後にB型で再流行することは、以前は一般的でした。あと1ケ月くらいは続くのでしょうか。
ウイルス性の胃腸炎が少し多い状態が続いています。その他の風邪症状で受診され方も増えてきています。新型コロナウイルスに感染する方も時々いらっしゃいます。
<核酸増幅法検査機器の導入について>
当院では11月より新型コロナ、インフルエンザ、溶連菌に対しての核酸増幅法による診断機器を導入いたしました。
新型コロナとインフルエンザがウイルス、溶連菌は細菌による感染症ですが診断の際にこれらの病原体を検出するのは抗原検査が一般的です。
抗原検査はとても簡単で便利なのですが、発症早期では検出しにくいなどのデメリットがあります。このことについは既にご存知の方も多いと思います。
また抗原検査は検出感度(本当に感染しているのを検査で実際に検出できる確率)もやや劣ります。
一方で、核酸増幅法はウイルスや細菌の遺伝子を検出する方法です。抗原検査はウイルスや細菌を構成する蛋白質などを検出するのですが、遺伝子増幅法はウイルスや細菌の微量の遺伝子を増幅(機械の中で人工的に増やす)して検出します。
新型コロナウイルスの流行期によくきかれたPCR法と原理が同じです。
遺伝子増幅法では発症早期でもウイルスや細菌を検出できるという抗原検査にはないメリットがありますし、検出感度も抗原検査より優れています。
保険適応なのですが、抗原検査と違って使用できる条件が決められています。
インフルエンザでは5歳未満か65歳以上、または特定の持病がある場合(妊娠中も含む)のみとなります。
新型コロナについては今のところ具体的な条件はなく症状や経過から新型コロナウイルス感染が疑われる場合に使うことができます。
溶連菌については15歳以下となっております。
基本的には従来どおりの抗原検査を主に使いつつ、上記のような条件のときには核酸増幅法を使ってもよいという位置づけになります。
診察や問診の結果から当方より使用を提案させていただくことになります。
<糖尿病コーナー + 院長の日記(合同記述)>
前号の続きです。お酒とうまく付き合う方法を今回はお伝えします。お酒とうまく付き合う、お酒と向き合うために有効な方法、それは自分の体質を知ることです。
まずアルコールを分解(代謝)する体内の仕組みをご説明いたします。
アルコールは2段階で代謝されます。最初の代謝でアルデヒドになり、次の代謝でアルデヒドは酢酸になります(酢酸は酵素を経ずに二酸化炭素と水に変換)。
最初の代謝を行う酵素が「アルコール脱水素酵素」で次にアルデヒドを分解する酵素を「アルデヒド脱水素酵素」です。
この2つの酵素をここでは分かり易いようにそれぞれ「酵素A」「酵素L」と呼ぶことにします。
するとアルコールを分解する過程は下のようになります。

日本人は酵素Lの活性(働き)が弱い体質の人が多いとされています。つまりアルデヒドの分解能力が弱い人が多いのです。アルデヒドは血管を拡張させたり(顔が赤くなる)、吐き気などの気分不快を引き起こしたりします。
アルデヒドの分解ができない、あるいは分解能力が弱い体質の場合、飲酒後は見た目にも、また自分でも「お酒に弱い」と大体分かります。
アルデヒドは特定の癌の原因にもなりやすいとされています。
アルデヒドでは悪いことばかりおきますが、アルデヒドに代謝される前のアルコールそのものはむしろ気分を良くしてくれる働きがあります。
アルコールを分解する働きが弱いとすぐに気持ちよくなるのでお酒で安上がりに酔っぱらうことができます。
これは実は厄介なことなのですが後述します。
さて、この酵素Aと酵素Lの2つ酵素の強さには体質が大きく影響します。そしてその体質よって飲酒の影響がある程度決まってしまいます。
ここでは5つに分類される体質を挙げてみます。
- 酵素Lが弱く(低活性型)、酵素Aが普通(活性型)の人:「お酒に弱い」
- 酵素Lがほとんどない(不活性型)人(酵素Aは問わず):「下戸」
- 酵素Lが弱く(低活性)、酵素Aも弱い(低活性)人:「お酒に強いと勘違い」
- 酵素Lが普通(活性型)で、酵素Aも普通(活性型)の人:「ざる」
- 酵素Lが普通(活性型)で、酵素Aが弱い(低活性)の人:「依存症になりやすい」
となります。それぞれのタイプについて詳しく見ていきます。
まず①です。これは「お酒に弱い」タイプです。アルデヒドの分解が弱いのですぐに赤くなって気分が悪くなってしまいます。
アルコールの代謝は早いのでアルデヒドがすぐにできてしまう一方でアルコールによる気持ち良さは感じにくいのであまり気持ちよくお酒は飲めません。
ただしある程度慣れると飲める量(不快を感じるまでの量)は増えることはあります。
②のタイプはまったく飲めない「下戸」タイプです。ごく少量の飲酒で気分が悪くなってしまいます。
お酒を飲んで楽しくなる、という経験はほとんど得られないでしょう。
③のタイプは酵素Lが弱いのでアルデヒドによる不快感が出やすいはずなのに、酵素Aも弱いためアルコールですぐ気分が良くなり易く、結局は不快感が麻痺しています。
本当はお酒に弱いのですがそうではないと「勘違い」しやすいタイプです。
④のタイプはアルデヒドもアルコールも分解が速いタイプです。いわゆる「ざる」です。
お酒を多量に飲んでもなかなか気分は悪くなりませんし、気持ちよく酔っぱらうにもある程度の量が必要になります。
たくさん飲めてしまうので結果的には多量のアルコールを摂取してしまい、アルコール自体による長期的な健康への影響が懸念されます。
⑤のタイプは「依存症になりやすい」タイプです。
アルデヒドによる気分不快が少ない一方で、アルコールですぐに気持ち良くなってしまいます。
飲酒が習慣化しやすいとともに飲酒総量も増えるため精神的あるいは社会的な障害だけでなく健康にも障害がでてしまうリスクがあります。
アルデヒドには一部の癌に対する発がん性が指摘されています。食道癌や口腔・咽頭癌などです。
アルデヒドの分解がしにくい①「お酒に弱い」と③「お酒に強いと勘違いしやすい」タイプでは注意が必要です。
多量のアルコールでは肝硬変や肝臓癌、胃がん、大腸がんのリスクが高くなります。
アルデヒドでの不快症状がない「飲める」人ではかえって多量のアルコールでのリスクが増してしまうのです。
さて、上記の体質ですがこれまでの経験から自分がどのタイプにあてはまるか程度推定はできるかもしれません。
しかし実際に自分の遺伝子を調べることではっきりと確かめることが出来ます。
現在は3,000円程度の検査キットが市販されていますので使ってみることをお勧めします。
ネットで注文でき、唾液などを容器に入れて返送するだけの簡単なものです。
自分の体質をはっきりと知ることでその後の行動が変わるという報告もあります。
実は私自身も調べてみました。結果は「下戸」タイプでした。
学生時代は無理やり飲んだ時期もありビール 1 缶以上は飲めていました。
しかし振り返ってみるとお酒を好きになったことは一度もありませんでした(飲み会の「雰囲気」だけ楽しんた?)。
自分の体質を客観的に知ることで「腑に落ちる」ことができます。
参考資料:「さかえ」2025年8月号

