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金崎内科医院

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院内報2026年1月1日号を掲載しました

今年もよろしくお願いいたします。
昨年は父の喪中で正月は謹賀とはいきませんでしたが今年は普通に正月を迎えられました。
当たり前なことではなく、ありがたいことだと思っております。

<かぜ情報>

12月中旬からはインフルエンザはかなり減りました。早い流行の開始でしたので年末年始にはいったん落ち着いてくれました。
学校や幼稚園・保育園が冬休みでしたので1月前半までは流行性のものは少なく済んで欲しいとの希望的観測です。
12月からウイルス性の胃腸炎が少し増えたような気がします。これも毎年の冬の風物詩ですので警戒が必要でしょう。

<核酸増幅法検査機器の導入について>

当院では11月より新型コロナ、インフルエンザ、溶連菌に対しての核酸増幅法による診断機器を導入いたしました。
新型コロナとインフルエンザがウイルス、溶連菌は細菌による感染症ですが診断の際にこれらの病原体を検出するのは抗原検査が一般的です。抗原検査はとても簡単で便利なのですが、発症早期では検出しにくいなどのデメリットがあります。このことについは既にご存知の方も多いと思います。
また抗原検査は検出感度(本当に感染しているのを検査で実際に検出できる確率)もやや劣ります。

一方で、核酸増幅法はウイルスや細菌の遺伝子を検出する方法です。
抗原検査はウイルスや細菌を構成する蛋白質などを検出するのですが、遺伝子増幅法はウイルスや細菌の微量の遺伝子を増幅(機械の中で人工的に増やす)して検出します。新型コロナウイルスの流行期によくきかれたPCR法と原理が同じです。
遺伝子増幅法では発症早期でもウイルスや細菌を検出できるという抗原検査にはないメリットがありまして検出感度も抗原検査より優れています。

保険適応なのですが、抗原検査と違って使用できる条件が決められています。
インフルエンザでは5歳未満か65歳以上、または特定の持病がある場合のみとなります。
新型コロナについては今のところ具体的な条件はなく症状や経過から新型コロナウイルス感染が疑われる場合に使うことができます。
溶連菌については15歳以下となっております。

基本的には従来どおりの抗原検査が主に使いつつ、上記のような条件のときには核酸増幅法を使っていいという位置づけになります。
診察や問診の結果から当方より使用を提案させていただくことになります。

<糖尿病コーナー>

年末年始はお酒を飲む機会が多くなった方が多いと思います。
飲酒は健康に良くないとなんとなくは知っている一方で「百薬の長」とも言われているので少しは逆に飲んだ方がいいのかも、あるいは例えばワインのポリフェノールは健康にいいと言われているのでむしろ積極的に飲むようにしているという方もいるかもしれません。

エビレデンス(科学的根拠)の観点からは少量のアルコールが健康になんらかの恩恵をもたらすということは残念ながら言うことはできず、むしろ否定されるようになってきました。
お酒は飲まないか、あるいは飲んでもなるべく少ない方がいいとされているのです(厚生労働省:健康に配慮した飲酒に関するガイドライン)。アルコールは一部の癌のリスクにもなりますし、脳の萎縮や肝臓・すい臓疾患、糖尿病の発症のリスクも指摘さされています。

アルコールを飲みたくなる理由としてはお酒の味とともに、気持ちよくなる、つまり酩酊状態になりたいという本能的な欲求からだと思います。酩酊状態はアルコール(正確にはアルコールの代謝産物)による脳の働きの抑制状態とも言えます。脳の働きを抑えるので眠くなるための「寝酒」として習慣化してしまいがちです。
ほとんどの人が感じているかもしれませんが確かに眠れるかもしれませんが目覚めも早くなってしまいがちです。これはアルコールが代謝されてしまうと覚醒状態になってしまうからです。
そもそも自然な睡眠ではない上に睡眠時間も少なくなってしまうことで慢性的な睡眠障害となってしまうのです。

また、アルコールの分解が遅れることも危険です。酩酊状態が残ってしまう状態ですので判断力や運動能力に支障がでます。
たとえば翌朝の自動車事故や転倒のリスクとなります。

飲酒はしないに越したことはないのですが、完全に品行方正に生きるのか少しはリスクを承知した上で楽しむのかはその人の価値観にもよるでしょう。
お酒と「うまく付き合う」ことができればそれはそれで良いことかもしれません。お酒とうまく付き合うには純アルコールの量をまず正確に意識することは大切だと思います。
個人や体調にもよりますが一般的には4グラムのアルコールを分解するのにはおよそ一時間かかるとされています。これは自分で感じる「酔った」感覚では判断できません。シンプルに体内にどれだけのアルコールを入れたか、だけの問題です。
この計算でいくと、20グラムのアルコールの分解には5時間かかることになります。そしてこの20グラムの純アルコール量がお酒の種類によってどの程度の量になるのかを把握しておいた方がいいでしょう。20グラムの純アルコールに相当するは例えばビールだと500mlとなります。酎ハイだと350ml、焼酎だと100ml(0.5合)、日本酒では約1合、ウイスキーだとダブル1杯、ワインだとワイングラス2杯弱となります。
思ったより少ないと感じるかもしれませんが運転などの業務に従事する方は今は出勤時のアルコールチェックが必須となってきているので参考にして頂きたいと思います(あくまでも個人差がありますのでご注意ください)。

お酒とうまく付き合うためのもう一つの方法が自分のアルコール代謝に関する体質を知ることです。これについては次号で説明させていただきます。

<院長の日記>

私の通っていた中学校の体育会に大きな絵がかけられていました。ステージに向かって右側の正面の壁でした。
縦長のキャンバスの真ん中に大きな鳥が羽ばたいています。鳥は青い空と白い雲で塗りつぶされています。「白い雲がうかぶ青空が鳥の形に切り取られている」、とも言い換えることができます。
鳥の足元は海岸の波打ち際で、鳥の背後は暗い鉛色の空で鳥の中に描かれた青空とは対照的です。
なんとも不思議な絵でした。とても大きいのと背景が暗いこともあってちょっと不気味、あるいは怖い絵にも感じました。オリジナルの名画を美術部の部員か顧問の先生あたりが模写したものなのかな、くらいに想像していました。

中学校を卒業した後もごくたまに、しかもほぼ一瞬くらいに思い出すことがありました。
大学のときの同級生に美術に詳しい人がいました。ふとしたきっかけで彼にその絵のことを話してみました。すると「ああ、それはマグリットだな」と言われました。
私がその絵にとらわれているように感じたのでしょうか、親切にも後日、マグリットの画集をもってきてくれました。貸してくれたつもりかもしれませんがまだ私の手元にあります(ちなみに彼は今は都内で開業医をしているのですぐに返せなくはないのですが)。

ルネ・マグリットはベルギーの画家でシュールレアリスムの画風で知られています。私のように美術に関して素人な人間には解釈に困るような絵ばかりです。
この大きな鳥の絵のタイトルは「大家族」でした。タイトルと絵が全くつながらないのですが、解説など読むとどうやらそれでいいそうです。
でもタイトルを知ってから絵をみると言葉ではうまく表現できないのですがさらに不気味さが増してより印象的、というか心にひっかかるようになった気がします。素人ながら、ああ、これが絵を鑑賞するとういことなのかな、とも感じました。

ところで、なぜ、今になった絵のことについて書いたのか?
それはある画家の絵が最近急に気になりだしたからかもしれません。アンリ・ルソーです。19世紀から20世紀にかけて作品を残したフランスの画家です。とても不思議な絵を残しています。
これも言葉では説明するのは難しく紙面の都合で省略しますが、少なくとも極めて独創的です。生前はピカソなど一部の同業者からしか評価されず、むしろ「素人の絵」と酷評されていたようです。実際に日曜画家でした。ジャングルに一度も行ったことがないのにジャングルの絵をたくさん描いています。

ルソーもマグリットもなんだかわからないけどいつまでも心に引っかかってまた見たくなる、そしてその感覚も心地いいとは言わないまでも悪くない。これが絵を鑑賞するということなのでしょうか。
ちなみにマグリットの「大家族」はなんと宇都宮美術館に所蔵されています。今年中に観に行こうと年の初めに決意をしたのでした。