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2018年12月1日号

12月初旬の時点でまだあまり寒くないです。よしよし、このまま行ってくれ、というのが寒がりの私の本音です。現時点では今年は暖冬かも、との予測も出ています。季節は寒くなるべきときには寒くならなければいけない、とか、これも温暖化の影響だとすれば喜べないのではないか、といった意見もあるかもしれませんが、たまにはそういう冬もあってもいいと言いたいです。


<かぜ情報>

11月末からウイルス性胃腸炎がやや増えてききているようです。マイコプラズマ肺炎が散見されます。それなりに風邪にかかる方が季節が進むに従って増えてきています。インフルエンザの大流行(パンデミック)がいつ始まるのか、とびくびくしていますが、今年は暖冬なので遅くなるのかな、と勝手な予想をしています。とにかく、学校や幼稚園が冬休みになるまでに持ちこたえてもらえれば、穏やかに年を越せるのですが、そう願いたいです。

 

<インフルエンザワクチン接種のお知らせ>

10月下旬からインフルエンザワクチン接種を開始しています。予約制です。電話か窓口で予約を承ります。ネットでの診療予約ではワクチン接種の予約は受け付けておりません。

当院に定期的に通院されている成人の患者さまにつきましては、予約なしでも受診日にお申し出いただければ、その日に接種をいたします。
 

<糖尿病コーナー>

折にふれて、これまでも睡眠の大切さについてお話しさせていただきました。運動や食事がそれほど乱れていなくても睡眠が足りなかったり、睡眠の時間がずれてしまったりするだけで、体に様々な影響がでてしまうということが分かってきています。太りやすくもなりますし、血糖も上がってしまいます。私たち地球に住む生物はずっと太陽の恩恵を受けてきました。生物は太陽が作りだしたと言ってもいいでしょう。太陽とともに生きるようにできているのです。睡眠を含めた体のリズムは絶対に太陽の周期からは逃れられません。太陽のリズムに逆らうことで必ず無理が生じます。とは言っても、今の社会のシステムが太陽のリズムをないがしろにするようになってしまっています。いくら個人で努力しても人間の作った社会の方が寝かせてくれないのです。また、すべての人が夜同時に寝るとどうしても支障がでてしまうため、特定の人には申し訳ありませんが起きていてもらわなければいけません。介護やシステムの監視、一部の運送や交通、公共システムの維持に従事している方々です。それでもこれら夜間の仕事に従事する人の数をなるべく少なくするかみんなで少しづつ負担を共有するなどの社会制度の変革が求められると思います。前おきが長くなりました。睡眠のリズムを自身の誤解で乱してしまっている場合があります。どうしても十分な睡眠を得たいという過剰な期待のためにかえってリズムも壊してしまうこともあるのです。このあたりはある程度各人で意識して取り組まなければいけません。例えば、「忙しい」の反対で、十分に自分に時間がある場合、たくさん寝ようと思って間違った睡眠リズムになってしまう場合です。特に年配の方に多くみうけられます。自分に時間があって、その分たっぷり睡眠をとって元気でいようと思ってもかえってうまくいかない、といった経験をされる方は多いと思います。残念ながら、年齢を重ねると、睡眠時間は自然に短くなっていきます。頭ではたくさん寝たいと思っていても実際は体(脳)は寝てくれないのです。この摂理にはあらがおうとするとうまくいかなくなるのです。年を重ねると、個人差はありますが一晩で6時間以上は眠れなくなってきます。せいぜい5時間くらいと思ってもいいと思います。それなのに、「たっぷり」寝ようと思って夜8時とか9時に寝てしまうと、その5、6時間後の2時か3時には必ず目が覚めます(そもそも本当に大切な睡眠ははじめの1時間半と言われています)。まだあたりは真っ暗です。しかし、もうすでに十分寝たのでそれ以上寝るのは無理なはずです。それでももっと寝ようとしてそのまま「眠れない」状態で朝を迎えます。すると朝、起床したときに「眠れなかった」という感想をもってしまいます。なんとなく気分がすぐれずに昼寝を多くとってしまい、かえって夜の睡眠の量や質が低下してしまったり、睡眠剤に頼りたくなったりしてしまいます。睡眠剤については、最近では新しいタイプで体にやさしいものも登場していますが、以前からあるタイプの睡眠剤は睡眠の質をかえって下げたり、日中のだるさ、転びやすさが増強してしまうことが最近では指摘されています。現在既に内服している場合は急に減らすのは難しいかもしれませんが、従来型の睡眠剤を新規で内服を始めるのはおすすめできません。このように睡眠への間違った、取り組みを治すには自分で少しづつ体のリズムを変えていくしかありません。ポイントはやはり太陽の周期にとにかく合わせることです。56時間の睡眠が真夜中にくるように、早すぎる就床時間を少しづつ遅くします。また自分では早いと思っても目が覚めてしまったら、布団の中でいつまでも粘らずに思い切って起きてしまいましょう。そして朝から十分に日の光を浴びるようにします。日中はなるべく体を動かし、外で日光を浴びるようにします。睡眠薬を飲む方が簡単かもしれませんが、太陽の周期に自分の体をなるべく同調させる取り組みを是非大切に考えていただきたいです。


<院長の日記>

先日、ドイツで仕事をしている私の弟が日本に帰省した際に私の子供たちにチョコレートをお土産に買ってきてくれました。息子はもともとチョコレートが好きなのですが、家に置いていてもあまり減りません。というか、毎回ドイツのお土産のお菓子を買ってきてもらっても余ってしまうことが多いです。私は自分では食べないので分からなかったのですが、息子に正直な感想をきいたところ、甘いだけ、甘すぎる、のだそうです。日本のチョコには微妙な苦さなども入っていて日本のチョコの美味しさをかえって実感したそうです。そういえば、たまに帰省する弟も日本で食い溜めのような食べ方をしていつもドイツに戻っていきます。そしてドイツでの食事について嘆いていました。ドイツ人はやはり食事にあまり頓着しないようです。ドイツ料理といっても、ソーセージとビール(料理とは言えませんが)くらいしか私たちには思い浮かびません。隣のフランスはあんなに料理文化が高いのに。また、ドイツの南のイタリアの料理もご存じのように日本では人気があります。一方でイギリス料理はまずい料理の代名詞となってしまっています。狭いヨッロ―パの中にあって国によって食の文化が全然違うのはとても興味深く不思議です。ドイツとイギリスはゲルマン人のなかでも同じ部族を祖先としています。もちろん現地での混血化が進んでいますが、いわゆる、アングロ(アングル→イングランド)・サクソン(ザクセン)人です。イギリスは近代になって世界に帝国を作り、勝者となっていますし、ドイツは工業や音楽などで世界をけん引しています。実をとる、理論を重視するといった気質があるのでしょうが、それでどうして料理をあまり重視しないのかはやはり理解できません。一方、日本には世界遺産にまでなった和食があります。和食だけでなく、世界中の料理を自分たちでアレンジして楽しんでいます。食べるということを大切にする文化のある国生まれてよかったとつくづく思います。私の好きなココイチのカレーもインド料理といは言い難く、日本人の作った料理だと思います。

2018-12-02 15:43:10

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2018年11月1日号

ようやく秋らしくなってきました。特に朝が寒く感じられるようになりました。でも10月末の時点ではまだ紅葉はあまりみられません。近年は夏が終わったと思ったらすぐに冬になってしまうような気候が続いているように感じます。せめて11月くらいは秋らしい気候のままであって欲しいです。

<かぜ情報>

やはり気温の低下とともにすこしずつ風邪で受診される方が増えています。

いまのところ特定の感染症の流行はありません。やや胃腸炎のかぜが増えてきているかもしれません。気温が変わりやすいので、着衣をこまめに調整するなどして体を冷やさないようにしていただきたいです。

 

<インフルエンザワクチン接種のお知らせ>

10月下旬からインフルエンザワクチン接種を開始しました。予約制です。電話か窓口で予約を承ります。ネットでの診療予約ではワクチン接種の予約は受け付けておりません。

当院に定期的に通院されている成人の患者さまにつきましては、予約なしでも受診日にお申し出いただければ、その日に接種をいたします。

 

<糖尿病コーナー>

先日、この地域の近くに天皇陛下の心臓バイパス手術を執刀した天野篤先生が講演に来られたので聞いてきました。ご存じの方も多いと思いますが、天野先生は蓮田市出身です。物事をはっきりおっしゃる先生で、逆にきれいごとはおっしゃいません。ヘタな外科医の話や外科医の素質についてもお話しされており、なかなかあそこまで言える人はいないと思います。そして実力と自信に裏付けられているのでしょうか、とても勇敢でもあると思いました。天皇陛下の心臓の手術なんて日本の歴史始まって以来のことだと思います。東大の先生が執刀するものだと思っていましたが、宮内庁にとっては外様の立場の天野先生が指名されたというのは余程の実力だったのでしょう。そしてその手術も自分の考案した新しい方法を実践されたようです。失敗したときのことを考えるとオーソドックスな方法をとりがちだと思いますがそうではないようです。心臓バイパス術は心臓の筋肉を養う冠動脈を再建します。冠動脈の内腔が狭くなったりつまったりすると心筋梗塞や狭心症を発症しますが、本来はまず内科的(循環器内科などで)カテーテル治療がおこなわれます。それでも治療が困難な場合は心臓血管外科による心臓バイパス術が行われます。糖尿病は狭心症や心筋梗塞の危険因子です。しかし、網膜症、腎症、神経症の3大合併庄とは違って、糖尿病の治療をしてもかならずしも予防に至らなかったのがこれまでのジレンマでした。最近になって登場した一部の血糖降下薬にこれらの心臓血管疾患の予防効果が期待できるデータがでてきています。しかし、お薬で狭心症や心筋梗塞の発症を予防する効果がはっきりと証明されている薬はコレステロールを下げる薬に分類される「スタチン」という薬です。糖尿病があってもなくても効果が証明されています。コレステロールを下げる作用とは別に心臓の血管内のコレステロールのこぶのようなものを安定化させる作用があると言われています。ですから、実際のコレステロールの値に関係なく、狭心症や心筋梗塞の他のリスクがある場合や、1度でも狭心症や心筋梗塞を発症した場合の再発予防(二次予防といいいます)として広く使われています。欧米ではいったんこの薬を始めたらコレステロールが下がっても薬を止める根拠にはならず、コレステロールなんて測らなくてもいいとされているくらいです。天野先生も著書のなかで、自分が手術をして助かった場合でもその再発を予防し、患者さんが健康的な生活を送るためにはスタチンによる管理が大切であることは強調されています。一方でコレステロールは患者さん本人とっては検査数値上の話だけであって痛くもかゆくもないので血圧のくすりなどと違って内服を始める、あるいは継続することの大切さが実感しにくい薬です。また、一部の報道などで、コレステロールは低いと健康に悪い、とかスタチンを製造する製薬会社の策略ではないか、と疑う人もいます。確かに健康状態が悪くなり栄養状態も悪くなるとコレステロール下がることはありますが、その逆の因果関係は証明されていいません。またスタチンは発売からすでに年月が経過しているため現在はわが国でもジェネリック薬品がほとんどです。つまり大手の製薬メーカーにとっては収益に関係ないくすりになっています。それでもスタチンへの推奨は全く変わっていません。糖尿病も心臓の血管病変の危険因子です。少なくともコレステロール値も高い場合にはスタチンの内服が強く推奨されます。

 

<院長の日記>

最近英語の勉強をしていて、”truther”という言葉を知りました。英語の中でも新語のようです。

“truth(真実)”+ “er(~する人)で真実の(を言う?)人、とも取れますが、実際の意味は、一般的に流布されている情報をそのまま受け取らず、それは嘘で必ず別の裏があるといつも信じている人、何かにつけてマスコミの情報を信じずに陰謀があると疑っている人、を指します。「陰謀論者」とも言います。たとえば2001911日のアメリカ同時多発テロをアメリカ政府の自作自演だと主張する人たちがその典型です。他にも、ケネディ大統領の暗殺はCIAと軍需産業が手を組んで実行した、とか、アポロ11号の月面着陸は実は嘘で、あの映像は作り物だ、などと唱える人たちも含まれるでしょう。ここまでではなくても何かと真実とされていることの裏や背景を面白おかしく脚色して話す人は周りにもいるよう気がします。報道やマスコミの情報をそのまますべて鵜呑みしてしまうのもどうかと思いますが、「自分だけが知っている」かのような話をする人も厄介です。そもそも根拠が表に出てこないのですから、議論のしようがありません。しかし、日本の政治の現場、国会でもこのような議論に近いものが行われているように感じます。嘆かわしいことです。政府を批判する方に多い気がしますが、野党を批判する側にももちろんあると思います。週刊誌の記事にもそのような「ストーリー」が多くみられます。多くはネタになった人の悪い部分を誇張するように使われているようですが、ネタになった当時者やその関係者はたまったものではありません。また、自分が困っているときにその背景をもっともらしく語って自分に近づいてくる人もいます。あなたが今悪い状況にあるのは・・・・のせいなのです、といった感じです。そもそも根拠が希薄なので反論しようがないのですが、多くの人が信じてしまうようで、案外私たちはそのようなストーリーに飛びつきやすい気質をそもそももっているのかもしれません。何か自分(たち)に受け入れがたいものがあったとして、そこにもっともらしい背景やストーリーを語る人がいるとそこに多くの人が流されてしまうというのは時として危険なことにもなりかねません。この場では具体的な事例を挙げるは控えますが、情報を受け取る側には一定のバイアスがどうしてもかかってしまうということをある程度自分で理解しておくこと、物事をなるべく偏見なくとらえようとする「情報リテラシー」がますます必要になってくる時代だと思います。

2018-11-05 21:23:25

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2018年10月1日号

さすがに気温が下がってきました。あまり寒いのは御免こうむりたいのですが、コーヒーがアイスではなくホットで飲めるようになってきたのはコーヒー好きの私にはありがたいです。台風がまだ多いようで、特に今年は災害が続いているので、なんとかこのまま無事に過ぎて欲しいと思うこの頃です。

 

<かぜ情報>

気温の低下とともに風邪で受診される方が確実に増えています。

いまのところ特定の感染症の流行はありませんが、暑い夏で体力が落ちると秋以降に風邪にかかりやすいのではないかと懸念しています。衣服、掛布団、寝間着、など早めに涼しさ、寒さ対策で変えていきましょう。

 

<糖尿病コーナー>

今年は夏があまりにも暑かったので外にも出られず、体を動かすことが少なくなってしまったと実感される方が多いのではないでしょうか。やっと涼しくなってきたので今度は寒くなる前に体を動かしておきたいものです。前回は簡単な筋トレ(レジスタンス運動)と有酸素運動について書いてみました。運動とは言いにくのですが今回はストレッチについてご紹介してみたいと思います。ストレッチという横文字をうまくあてはまる日本語は思いつかないのですが、ストレッチという言葉自体多く聞かれるようになったのでおおよそイメージがわくと思います。固くなった関節や筋肉を伸ばしてほぐす体操のような?ものです。あのラジオ体操もややそれに近いのですが、もっと時間をかけて、あのような曲げ伸ばしを繰り返せずに呼吸とともにゆっくりと目的の部位を伸ばしていくようにします。詳細は本やネットを参考して欲しいのですが、とても大切なものなので是非お勧めしたいです。年齢とともに体の筋肉や関節はどうしても固くなってしまい、それとともに余計に体を動かすのが億劫になるとともに、腰痛などあちこちの関節の痛みの原因にもなります。また、怪我もしやすくなります。昔から運動の前に「体操」をするように奨励されていたのでお分かりでしょう。私も今の仕事は座りっぱなしで動ないことが多く、一時は腰痛がひどくなりました。腰痛があると余計体が硬くなり、さらに他の場所も痛くなるとともに体を動かすのが減って太り易くなってしまったのを実感しました。そこで数年前から毎朝ストレッチをしています。おかげで最近は腰痛もだいぶ軽減し、体が柔らかくなったのを実感しています。腰痛がひどいときは、足を伸ばして上体を前に倒しても手が地面に着くどころか膝の高さのあたりまでしか届きませんでした。ところが、今はもう少しで地面に着くかつかないかのところまで来ています。年齢を重ねてもストレッチをすることによって体は柔らかくなるのです。ちなみに上体が前により倒せるようにするには腰の筋肉ではなく、ハムストリングといって太ももの裏の筋肉や股関節のあたりの筋肉を伸ばすストレッチをすると効果が上がるようです。もっとあちこちの筋肉をやわらかくすることによってさまざまな効果が期待できるようです。かなり上級テクニックですが、体幹の筋肉をやわらかくすると呼吸が深くなってからだがよりリラックスできるようになるばかりか身のこなしが全体的にスムーズになるようです。体が柔らかくなると、筋トレや有酸素運動の効果もさらに高まってより痩せやすい(太りにくい)体になるようです。ストレッチのコツはゆっくりやること、体が痛いか気持ちいいかぎりぎりのところまで伸ばしてみること(決して無理しない程度に)、呼吸を停めないでゆっくり吸ったり吐いたりすることなどです。どうですか?ストレッチが魅力的に感じてきたのではないでしょうか。先ほど、外で運動できるのにいい季節になってきた、といった感じに書きましたが、ストレッチは自宅でできます。是非お勧めです。私などはストレッチをしないとなんとなく体が硬く重く感じてしまうので完全に毎日の習慣となってしまいました。

 

<院長の日記>

今回は歴史の話です(もはや「日記」ではない?)。史実ではないと思われながらも伝説として語り継がれるものがあります。源義経は、実は平泉で死んでおらず、中国大陸に渡ってチンギス=ハンになった、明智光秀は山崎の戦いでは死なずに生き残り、天海僧正になって家康のブレーンとなって長生きした、そもそも本能寺の変は家康の陰謀であった、などなど。話としては面白いですね。私は西洋史も好きですが、ここにテンプル騎士団なるものをご紹介しましょう。案外ご存じの方も多いかもしれませんが、かいつまんで説明させていただきます。中世のヨーロッパではかつてはキリスト教の聖地だったにも関わらずイスラム教徒に占領されてしまっている地域がりました。エルサレムとその周辺地域です。ここをキリスト教徒の手に取り戻そうという機運からやがて戦争を起こし、一時的にキリスト教国家を無理やり作ったことがあります。いわゆる十字軍です。現地にいたイスラム教徒たちにとってはたまったものではありませんが、このときキリスト教側の戦争を支援する目的でいくつかの騎士団が作られました。テンプル騎士団もその一つです。キリスト教に命を奉げて戦争を行う超国家的集団で、聖職者(正確には修道士)でありながら戦士(騎士)でもあったのです。当時の十字軍熱気運はすさまじく、多くの寄進や寄付を受けて次第に力をつけていき、また、命を惜しまず戦闘を行うため実際にかなり強かったそうです。そもそも「騎士団」という呼び名からしてカッコいいですよね。テンプル騎士団は聖地に赴く巡礼者の輸送や警護も行い、十字軍の時代には大活躍しました。しかし約150年続いた十字軍も結局は誇大妄想で終わってしまい、テンプル騎士団の本来の活躍の場はなくなってしまいました。しかしその強大な超国家的組織は存続し、豊な財力で銀行業や農業、さらに各地の私的な戦闘に介入するなど影響力は保持し続けました。しかし、むしろやりすぎて嫉妬の対象となってきたころに本部のあるパリで突然フランス王に襲撃され、幹部の処刑、あえなく組織の解散となってしまいました。歴史から消えたわけですが、ここから様々な伝説が生まれます。有名なのがフリーメーソンになって生まれ変わったというものです(もちろん史実ではありません)。最近ではハリウッド映画にもなったダヴィンチ・コードにも伝説がでてきます。枚挙にいとまがありません。華々しい活躍と悲劇的な最期という点では伝説のネタになる要素があったようです。テンプル騎士団のポルトガル支部はキリスト騎士団と名を変えて存続しました。余談というかこれは史実ですが、世界史の教科書に出てくる、エンリケ航海王子自身やバスコ・ダ・ガマの航海時の船長はキリスト騎士団の騎士でもあり、コロンブスの義父はその総長だったそうです。さらに余談ですが、テンプル騎士団とは別の騎士団であるチュートン騎士団は十字軍のあと、いまだ異教徒の地であったプロイセンに入植し、のちのプロイセン王国につながる礎を作ります。そもそも「ドイツ」は「チュートン」の訛りだそうです。ここまでくると聖ヨハネ騎士団についても紹介したくなりますが長くなるのでこの辺で止めておきます。最近歴史ものの話では結構反響をいただくので今後も時々書かせていただきます。

2018-10-03 08:55:32

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2018年9月1日号

今年は季節の推移が少し早い傾向でして。冬は早く終わり、夏も早く始まりました。7月の時点でかなりの猛暑でしたが、8月は案外早く猛暑が終わってくれるのではないかとたかをくくっていました。ところが結局8月いっぱい猛暑が続いてしましました。仕方がないです。でも秋は確実に9月には感じられるはずです。猛暑が長かった分、今年は特に秋が待ち遠しいです。寒がりの私でも。

 

<かぜ情報>

前号に書いたように今年は夏特有の感染症、例えば、ヘルパンギーナや手足口病などは少ない状態が続きました。あまりにも熱いと蚊も飛ばなくなると聞きますが、感染症が少ないのも猛暑と関係があるのかはわかりません。蚊もウイルスもおとなしくしているのですから、やはり人間もおとなしくしておくべきなのでしょうか。9月になり小児の新学期も始まりますので、これからは少しづずかぜは増えてくるかもしれません。

 

<糖尿病コーナー>

前回は気温が高いと血糖が下がりやすくなるかもしれない、とお話ししました。今年の夏はあまりにも熱かったので、外に出られず運動不足を実感されている方も多いと思いますが、確かにそのわりには血糖が上がってしまったケースは少なかったように思います。これからは気温が下がってきますし、食欲の秋ですから血糖が上がってくることが予想されます。でも、「運動の秋」です。暑さで運動できなかった分、ちょっと頑張ってみましょう。

以前もお話ししたことがありますが、運動は大きく「有酸素運動」と「レジスタンス運動」の2つに分けられます。わかりやすく言うと、有酸素運動は一定時間、ちょっと汗をかく程度の運動です。ジョギングや水泳、そのほかのスポーツ全般が当てはまります。しかし、なにもトレーニングウエアを着ての運動がすべてではありません。これも以前から述べていますが、日常生活の動作もある程度有酸素運動に置き換えられます。散歩や掃除、子供や孫の世話も運動に置き換えられます。草むしりなどはかなりの重労働です。家庭内で体を動かす以外でも体を使うお仕事をされているかたは当然ある程度の有酸素運動になっているはずです。要は座りっぱなしやゴロゴロ横になってばかりいるのをやめれば運動になるのです。もっと簡単に言えば、止まっていなければ運動になります。有酸素運動の量は運動の強度と運動の持続時間で決まります。量が多いに越したことはありませんが、できる範囲で無理せずに実践していただきたいです。

もう一つの「レジスタンス運動」とはつまり筋トレです。筋肉がつくと代謝が良くなり、同じ有酸素運動でもより運動の効果が高くなります。また、体幹や足の筋肉がつくと転倒予防になったり、膝や腰への負担が軽減されることが期待されます。鍛えようとする筋肉毎に多くの種類の筋トレがありますが、もっともお勧めするのはスクワットと腹筋です。スクワットで鍛える大腿部の筋肉は全身でもっとも大きな筋肉なので高い効果が期待できます。最近通販などで座って行うスクワットマシーンが販売されています。本当のスクワットと同じ効果が得られるのかはわかりませんのでおおっぴらにお勧めすることは避けますが、個人的にはちょっと興味があります。スクワットはちょっとキツイ筋トレでなかなか続けるのは大変かもしれませんが、効果が実感できればもっとやってみたくなると思います。スクワットの方法は間違えると膝や腰に負担をかけるので、本や雑誌に図解されているものを参考にしていただきたいです。次に腹筋の筋トレです。いろいろありますが、個人的にお勧めなのだが「レッグレイズ(足挙げ)」です。腹筋運動というと。床に座って上半身を起こしたり寝かしたりを繰り返すものをイメージしやすいでしょうが、この方法はかなりキツイです。一方でレッグレイズはその名の通り、上半身は仰向けに寝たままで、足を上げたり、下げたりするものです。下げたときに足を床に付けず、そのまま止めるかまた持ち上げる動作をはじめます。足を完全に下せないのでそれなりにキツイのですが従来の筋トレよりは簡単です。腹筋の主に下(下腹部)が鍛えられますが、今注目されている、体幹の深いところの筋肉も鍛えられます。運動後は、下腹から足の付け根あたりが張ったりしますが、私は個人的にその感覚が好きです。お腹に脂肪がたまっているのが気になるというときにこの運動はより効果が高いと言われています。実は10年前に私はスクワットとレッグレイズをしただけで3か月間で5kg体重が減った経験があります。今でもその体重を概ね維持しています。効果には個人差があると思いますが、ものは試し、まずはやってみてはいかかでしょうか。

 

<院長の日記>

ちびまる子ちゃんの作者のさくらももこさんの訃報には驚きました。私も昔からちびまる子ちゃんは好きでしたし、彼女のエッセーもたくさん読みました。自分よりやや上の世代になりますが、子供時代の描写は自分の子供のときと大体は重なりますので、学校や家庭の描写については共感できることがたくさんありました。ちなみに、ちびまる子ちゃんやさくらももこさんが小学生のときのエピソードには西城秀樹や山口百恵、ピンクレディーが登場しますが、それは私が幼稚園の頃の話だったようで、私が小学生のときには山口百恵は既に引退しており、ピンクレディーも解散していました。ところで、今の子供たちはアニメでちびまる子ちゃんに親しんでいると思います。アニメのちびまる子ちゃんしか知らないかもしれません。シュールなところもありますが、やはりアニメでは家庭や友達の暖かさなどがにじみでています。しかし、本人が書いた漫画の方はやや雰囲気が違います。また、さくらももこさんのエッセーなどを読むと必ずしもそういう面ばかりではなく、むしろ家族や社会を冷めた目で見ている方が本当のようです。だからこそ、私も引き込まれて読んだのかもしれません。例えば、ちびまる子ちゃんでは仲のよいやさしいおじいちゃんが登場しますが、さくらももこさんの実際に同居していた祖父はもっと気難しく、むしろ本人は嫌っていたそうです。そんな祖父が自宅で突然亡くなったときにはお姉さんとむしろはしゃいで喜びあったことが書かれていました。そのため、身内が亡くなったのに喜ぶとはけしからん、といった反響もあったそうですが、本人は家族だからといって必ずしも好きというわけではない、と反論したそうです。とても正直で噓偽りのない言葉だと思います。家族が好きなのは家族だからではなく、たまたま自分が愛情を感じるひとが家族だから、ということにすぎない、と。家族だから、というだけで無理をしてつらい思いをしている人がたくさんいるでしょう。日本は今、家族を美化しすぎていると思います。虐待、DVは家族内で起きますし、殺人事件も家庭内で起きることがとても多いです。さくらももこさんは家族を決して美化していない、とても冷静な目をもった人であったことを忘れてはいけないと思います。そういえば世代も性別も同じ西原理恵子さんも家族をとってもシュールに描いていますね。

2018-09-16 08:09:02

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2018年8月1日号

7月の厳しい暑さはおそらくこれまで誰も経験したことのなかったレベルではないでしょうか。

しかし、それでも寒がりの私にとっては冬の寒さよりもずっとましでした。空調の効いている部屋で仕事をしていたからそう感じるのでは、という反論もあるかもしれませんがそれは冬も同じです。寒さも含む冬の気候自体がだめなのかもしれません。夏はむしろ空調の寒さがつらいです。このような暑さでも電車にのって外出するときは長袖の上着がないと不安になります。「酷暑」でも寒いよりまし、と思って過ごしている私はおかしいのでしょうか。

 

<かぜ情報>

特定のかぜというわけではありませんが、小児の高熱を初発症状とするかぜが散見されます。

まだ夏が始まったばかりですが、8月初めの時点で、手足口病やヘルパンギーナ、とびひなど夏に流行する感染症が今のところほとんどみられません。これも酷暑の影響かはわかりませんが何か今年は違います。(そういえば、虫刺されで受診される方も少ないです。虫も活動できないくらの暑さなのでしょうか)

 

<夏季休診のお知らせ>

8月11日(土)~815日(水)は夏季休診とさせていただきます。

811日は祝日、12日は日曜です)

 

<糖尿病コーナー>

以前から血糖は冬に上がることが多い、といったお話しをしたことがあります。寒くて運動できないし、年末年始などで飲食の機会が増えるからではないかとも述べました。かつて農村部の病院に勤務していたことがありますが、患者さんは農家の方ばかりのせいか、やはり夏に血糖は下がる人が多かったです。特に田んぼの仕事をしている場合は仕事の量の違いが季節によってはっきり出てきます。ところで、今年は春から当院の患者様の血糖が下がるのが目立ちました。皆さまは農家の方でもないし、お話しを聞いても食事や運動は特に変わってないとおっしゃる方が多いです。そこで考えたのが、これは気温のせいかもしれない、ということです。今年は寒かった冬があっさりと早く終わり春から気温が高い状態が続いています。血糖の高さと季節の変動に研究というのはこれまでのところあまりされていません。しかし、インスリン量の厳密な調整が必要な1型糖尿病では気温によって、インスリンの効きが微妙に変わるといことが本に記載されています。このことは案外知られていないようで、私も恥ずかしながらあまり意識していませんでした。インスリンの効きは「インスリン抵抗性」という言葉で我々は表現しています。インスリン抵抗性が高いということはインスリンの効きが悪いということです。インスリンの効きが悪いということは血糖が高くなりやすいということです。例えば運動をするとインスリン抵抗性が低くなり、血糖が下がりやすくなります。気温が高いと同様にインスリン抵抗性が低くなるようです。気温が高いということは運動したことと程度に違いがあると思いますが似たようなことが起きると考えると覚えやすいかもしれません。そういえば運動すると暑くなって汗をかきますよね。ちなみにインスリンはすい臓から分泌される大切な血糖低下ホルモンです。したがってインスリン注射の治療をしている人だけの話ではありません。科学的なメカニズムは解明されていませんが、熱で産生される特定の蛋白質がインスリン抵抗性を低下させるという説もあります。今年の春からの血糖コントロールの傾向については、気温によってインスリン抵抗性が変わるという風に考えると腑に落ちるような気がします。血圧も夏には明らかにさがります。近年の夏の気温上昇のせいか、夏には血圧の薬を減らすか中止するといった対処をすることが個人的に増えていると思います。血糖の季節変動に関しても気温の変動がより激しくなっているわが国ではこれからはより意識されてくるのかもしれません。ただし、これには個人差もありますので、あくまでも全体的な傾向と捉えるべきです。夏になるとかえって太りやすいという方もいらっしゃいます。また、夏になって汗をかくようになると血糖がいつも下がるようだ、と経験的に自分のことを把握されているかたもいらっしゃいます。
 

<院長の日記>

最近は電子書籍で本を読むことが増えました。ネットでワンクリックで購入でき、購入した瞬間からその場で読むことができます。実際の本は場所をとりますが、そのような心配はもちろんありません。それでも名著と呼ばれる本や難解な本は実際に購入しています。もともと自分の書棚は本でいっぱいなので、時々整理してある程度見切りをつけられる本はブックオフなどで売ってしまいます。本で家の中を狭くする時代ではもうないようです。

電子書籍は立ち読みして内容を吟味してから買うわけではないので、買って後悔するときも時々ありますがやっぱり便利です。軽い内容の新書や雑誌、小説、そして漫画を買って読んでいます。漫画は学生の時まではよく読んでいましたが、電子書籍を使うまではしばらく遠ざかっていました。今、よく読んでいる漫画はゴルゴ13(サーティーン)です。おじさん向けの漫画の定番なので、女性はこのタイトルを聞いただけでがっかりするかもしれません。でも、もう50年以上続いているロングセラーです。おじさんには人気があるんです。若いときはあちこちの病院に当直のアルバイトに行きましたが、どこの病院の当直室にもなぜか必ず置いてありました。ゴルゴ13という超一流スナイパーが主人公のハードボイルド漫画です。一話完結で読みやすいのですが、国際的な要人がターゲットとなることが多いだけにその時々の国際情勢をよく取材して描かれていて話に奥行が生まれています。ゴルゴ13はほとんどしゃべりません。そこがまたカッコいいところです。男が愛の言葉をベラベラしゃべる昨今のライトな漫画とは違います。ちなみにゴルゴ13は愛の言葉なんて絶対にしゃべりませんがなぜか女性にモテます。射撃の名手は当然ですが、絶対不可能と思われる依頼もやってのけます。私が読んだなかで一番すごいと思ったのはある復讐の話です(ここからはネタバレなのでご注意)。有名な女流ミステリー作家がゴルゴ13に挑戦状をたたきつけます。やはりゴルゴ13に恨みをもつ軍の将校の強力を得て、ゴルゴ13をわなにかけて殺そうとしますが、あとちょっとのところで失敗します。今度はゴルゴ13の復讐になるのですが、その女流作家は軍の基地がある小さな島にかくまわれます。島なので船か飛行機でしか近づけません。ゴルゴ13はまず小さな戦闘機と小さな島を買い付けます。そこに飛行場を作り、飛行機の整備士を雇います。そして近くを通りかかった軍の輸送機を乗っ取り、その輸送機の中に改造した小さな戦闘機を格納して女流作家のいる島に向かいます。島を守っている軍は同じ軍の輸送機なので油断して着陸させてしまいます。そのとき輸送機の扉が開いてゴルゴ13の乗った小型戦闘機が飛び出し、ついに女流作家のいる建物をあっという間に攻撃炎上させ目的を果たすのです・・・・。どうですか。ここまでついてこれましたか? すでにおじさんの長話になってますね。この辺でやめておきます。

2018-08-06 08:13:43

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2018年7月1日号

予想どおり、夏が早く始まってしまいました。長い夏になるのか、早く秋が来るのかはわかりませんが厳しい夏になると思っておいた方がいいでしょう。体調管理、特に熱中症にご注意ください。最近の暑さは「半端ないって」と実感されているでしょう。

 

<かぜ情報>

特定の感染症の流行は7月初めの時点ではみられません。いわゆる一般的なかぜと胃腸炎で受診される方はいらっしゃいます。今後は小児のヘルパンギーナや手足口病が増えるかもしれません。


<夏季休診のお知らせ>

8月11日(土)~815日(水)は夏季休診とさせていただきます。

811日は祝日、12日は日曜です)

 

<糖尿病コーナー>

623日に恒例の糖尿病教室を開催いたしました。お陰様で、盛況な会となりました。今回のテーマは「災害時の糖尿病」でした。参加できなかった方のため、そこでお話しした内容をまとめてみたいと思います。災害に遭ったときに、まずするべきことは自らの命を守る行動です。当然のことです。これは糖尿病があるかないかに関係ありませんね。幸いにして命が助かり、大きな怪我もしなくて済んだとしてもその後、避難生活を余儀なくされるかもしれません。今回はこの場合を想定します。避難生活で注意すべきことは被災してからの時間経過とともに変わってきます。まず、被災してから3日目くらいの「超急性期」では、食事のバランスや内容はあまり気にせずに、食べられるものをしっかりと食べることです。このときに水分を摂ることが必要です。過去の震災の場合にも水が確保できても、トイレが使えないために水分補給を我慢してりしまう人が多かったそうです。ですから、携帯トイレセットを準備しておくことは食糧の準備と同じくらいに重要です。水分を摂らないとエコノミークラス症候群や脳梗塞などの危険性が高くなります。次に被災してから1週間くらいまでの「急性期」です。避難所で支給される食糧や災害用に保存食だとどうしても炭水化物が多くなりがちです。パンやおにぎり、インスタント食品ばかりとなるかもしれません。栄養のバランスは仕方ありませんが、ある程度適量を把握しておきましょう。例えば、1回の食事ではパン1個とおにぎり1個、さらにジュース1本といった程度です。もちろん、救護や後片付けなど体を動かすことが普段より多い場合はもう少し食べてもいいかもしれません。ストレスが強くなると血糖は上がりやすくなります。炭水化物の多い食事の状況も重なってより高くなりやすい状態かもしれません。すこしでも血糖の上昇を抑えるためにもゆっくりと食べることをお勧めします。被災してから2週目以降の「亜急性期」では、それなり食糧の流通やインフラの復旧が進んでくるかもしれません。食事に関してはなるべく食物繊維の多い食事をとるように心掛けましょう。缶詰やレトルト食品が手に入った場合はごはんと混ぜて食べてみるのも一つのコツです。加工食品では塩分が多くなりがちなので煮汁などは残すなどした方がいいでしょう。もし、火が使えるようになっていれば鍋などにしてみるのもお勧めです。避難生活では様々ことに気を付けなければいけませんが、あへて強調するなら衛生面への配慮でしょう。集団生活で感染が広がりやすくなりますし、冷蔵庫が使えないうえに長期に保存しておくと食品自体が感染の原因となってしまいます。食器にサランラップを敷く、ペットボトルの回しのみをしない、ウエットティッシュを使う、トイレやゴミ捨て場に行くときには特に手洗いやマスクを使うなどの注意が必要です。さて、最後はお薬です。日頃から手持ちのお薬を余裕をもって確保しておくことをお勧めします。2週間くらいあれば安心でしょう。いつもより少し早めに受診する、ちょっと日数を多めに処方してもらうことを23回すれば2週くらいの在庫の余裕はすぐにできるでしょう。1型糖尿病の方は絶対にインスリンをきらさないように手元の在庫の管理は絶対に余裕をもたせておいてください。くすりがなくなって、臨時で他の医療機関で処方を受けざるを得ないこともあるかもしれませんが、このときには薬手帳が多いに役立つと思います。日頃から貴重品と一緒にしておくことをおすすめします。1型糖尿病方やインスリンを多量に必要とする2型糖尿病の一部の患者さん以外はお薬がきれてもすぐに体調に影響する自体にはならないと思います。慌てないでください。紙面の都合でここまでしか書けませんが、何か心配なことがありましたら、受診時に医師や看護師にご相談ください。


<院長の日記>

歴史が好きな人にとって特に人気がある時代は戦国時代と明治維新のようです。戦国時代は確かに面白いですが個人的には今はその前の南北朝から室町時代末期の方に興味があります。そして、明治維新ですが、個人的にもともと苦手でした。西洋列強に遅れをとってはならないと気付いた志士たちが、旧体制の象徴である江戸幕府を倒して日本の近代化の礎を築いた、といったやや美化されたストーリーが一般的でしょう。しかし、あくまでも後世からみたストーリーだと思います。私は大義名分があれば、何をやってもいいという考えは大嫌いです。明治維新はそういう側面があると思います。多くを語らずともわかる人にはわかるでしょう。尊王攘夷の名のもとにテロと戦争を仕掛け、幕府が倒れたら手のひらを返したように西洋文明を取り入れて、古き良きものを捨ててしまう。近代化のもとに、国を強くするために国民の生活を犠牲にする政策と教育の名のもとに国民を洗脳していった元凶は明治維新にあると思います。そもそも日本は太平洋戦争で敗戦となり、その過程で自国のみならず近隣諸国に多くの犠牲者を出しました。戦後は国民みんなで反省するということになりました。しかし、どこの時代までさかのぼって反省したのでしょうか。おおかた満州事変の前後、さらにさかのぼって、朝鮮併合、せいぜい日露戦争直後あたりまででしょう。司馬遼太郎の影響でしょうか、日露戦争あたりまでは良かったがその後に世界と自らを見誤ったという見方が支配的のような気がします(私は「坂の上の雲」のあまりにも自己陶酔的な世界に全くついていけません)。天皇主権で国民が臣民とされる大日本帝国憲法、その思想をさかのぼると明治維新まで自然と行きつくはずです。明治維新を擁護する論として、もし江戸幕府をあの時点で潰さなかったら、日本は中国(清)のように欧米列強に植民地化されていた、というのがあります。近代化と合理化は必要かもしれませんが、あそこまで強引なやり方でよかったという論拠にはならないと思います。最近になって明治維新が過ちであったのでは、といった見方の書籍がいくつか出版されるようになりました。自分が明治維新に抱いていた違和感がようやく腑に落ちるような思いになりました。さらに自分なりに考えてみました。日本人は伝統や和を尊ぶ民族かもしれませんが、一方で自分たちのその非合理的な側面もなんとなくわかっていて、引け目を感じているため、外圧などがきっかけでいったんスイッチが入ると極端な反動を起こすことがある、とでも言うのでしょうか。もともと中国や西洋諸国に対してどうにも抜けきらないコンプレックスを抱いていて、自分たちでも気づかないくらいの不安感がずっと根底にただよっているような気がします。今でも、外国が日本をどう見ているのか、を気にしすぎていると思います。この焦りのような感情と「正義」が結び付くと危険なことになるような気がします。今後も日本はどういう国になっていくか、と考えていくにあたり明治維新を「反省」することから始めるのも方法の一つではないでしょうか。今回は歴史をちょっと熱く論じてしまいました。

2018-07-07 23:10:14

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2018年6月1日号

今年は梅雨も早く、夏も早く来るのでしょうか。寒がりの私にとっては悪くはない話ですが、やはり雨の日は朝から気分が憂鬱でなんとなく元気がでません。皆さまの前ではなんとか「から元気」でいたいと思います。

 

<かぜ情報>

かぜの流行はまだそれほどでもありませんが、まだ幼稚園や保育園に入園したばかりのお子様が繰り返し風邪をひいているようなケースが多いようです。また、やはり数は多くありませんが、胃腸炎で受診される方もいらっしゃいます。

これからはヘルパンギーナや手足口病といった子供の夏特有の感染症が多くなってくるかもしれません。あくまで予測ですが。

 

<糖尿病教室のお知らせ>

623日(土)17:00から糖尿病教室を開催します。

今回のテーマは災害時の対応についてです。奮ってご参加ください。事前の参加のお申し込みをお願いします。

 

<糖尿病コーナー>

以前から、同じものを食べ、同じくらいの運動量でもあっても食事や睡眠の時間が乱れているだけで血糖は確実に上がり易く、体重が増え易くなります。働き盛りの世代の方にお話しをきくと夕食の時間が不規則、食事は外食やコンビニで買って済ませているといった忙しさからくる生活の乱れや食事を簡単に済ませてしまう習慣の人がとても多い印象をもちます。ほとんどの人が生活リズムに余裕がない状態のようです。生計を維持するためには仕事はしなければならないですし、世間は人手不足でもありさらに忙しくなるのはある程度致し方ないと思います。そのような人に向かって、生活リズムに気を付けましょうといっても具体的に実行できるのは難しいだろうな、とはわかっています。それでもつい「正論」ばかり言ってしまいます。もっと具体的な実現可能な方法を提案したいところです。今回はより納得しやすいかなと思われるお話しをしてみます。

病院など入院施設のある医療機関では糖尿病の教育入院というのもがあります。およそ2週間入院して糖尿病についての勉強をしていただきながら、血糖コントロールを改善させる治療をしていくものです。2週間だけでは完全に血糖コントロールが改善するのは難しいのですが、それでもほとんどの場合、確実にコントロールが改善の方向に向かいます。やはり3食とも完全に管理した食事が与えられ、間食も摂りにくい環境であることに起因すると思われやすいのですが、もう1点、大事な環境の変化があります。それは、睡眠と食事のタイミングが規則正しくなることです。例えば、朝7:00に起床し、7:30に朝食、そして昼食は1200ちょうど。夕食は6:00にとり、消灯は9:00。睡眠時間は十分です。食事の内容は、主食のごはんがむしろ多く感じるときもあります(糖尿病食の場合、カロリーの半分は炭水化物でとっていいのです)。極端な炭水化物制限をしなくてもこの生活リズムの規則化で良くなってしまうのです。日常生活では実行可能でないにしてもこの入院生活を少しでもイメージしていただくといいと思います。まず、食事ですが、宅配の糖尿病食など短期間でもいいですから活用してみてはいかがでしょうか。1ケ月のうちの1週間でもいいかもしれません。食費が割高のイメージがありますが、コンビニや外食よりは高くないです。昼食も宅配食をお弁当にして職場にもっていくのです。夕食が遅くなってしまう場合は夕食の炭水化物を半分くらいに減らしましょう。また入院のパターンをまねするのであれば、やはり朝食を定時にバランスよくとるようにします。このように、入院生活を真似するというイメージをもっていただくことがポイントだと思います。「プチ入院」です。実行できればおそらく体調も良くなるのも実感できるかもしれません。

 

<院長の日記>

こう見えても学生のときは体育会系でした。中学と高校はバドミントン部で最後まで辞めずに続けたことが少ない自慢の一つです。中学のときはレギュラー選手には1回もなれませんでしたが、とにかく練習は休まず参加しました。当初は何十人もいた同学年の部員も最後はその3分に1くらいになっていました。高校でも入部当初は37人いた部員が最後は7人になりました。それでも残りました。中学の時は部活の顧問の先生が厳しかったですが、あまり理不尽な指導は受けた記憶はありません。その代わり先輩がとても厳しく、「鍛えられ」ました。高校の時は顧問の先生はいましたが形だけで、実質学生だけで活動していました。やはり先輩が厳しかったです。スポーツ理論的に今では全く無意味とされる指導をたくさん受けました。ひたすらうさぎ飛びをさせられました。夏の暑い日に閉めきった体育館のなかで、「シゴキ」を受け、水分を摂らせてもらえませんでした。怠けているとみられる人がいると「全体責任」として練習を止めさせてもらえませんでした。夏合宿になると、どこからか怖いOBがやってきてさらにシゴキを受けました。当時は体育会系というのは美化されていた風潮があったと思います。体育会系は我慢強く、体力があり、挨拶ができ、チームワークを重視する、従って就職の時には会社からはもてはやされる、といった感じでしょうか。今になってみれば会社や組織に従順な都合のいい人間ということだとわかります。このような体育会系は少なくとも明治時代あたりからの日本の伝統的な教育の名残のようです。明治時代にはひたすら国家に従順な人間をつくるというのが教育の方針でした。「体育座り」というのを覚えているでしょうか。地面に座るときに膝を胸の前に立てて、両腕で膝を抱く姿勢です。あれは自分で自分の身体を拘束するためのもので、まさに自制を促す象徴的なものなのだそうです。戦後も軍隊の士官をしていた人たちが教育の現場で活躍し、まさに体育会系が受け継がれていく背景になったそうです。運動部はスポーツクラブとは言えないような日本独特の集団になってしまいました。私はどちらかというと宗教に近いと感じます。疑う者は排除され、信じてついていく者だけ残ります。日大のアメフトの危険行為が連日報道されています。これを見て、体育会系だった人の中には、程度の差はありますが、自分たちが経験してきたことの異常さに改めて気づく人がいるのではないでしょうか。やっぱりちょっと異常だったかも、と。スポーツや教育のために子どもを鍛えることは時には必要かもしれません、理不尽な暴力や言動を使わない教育方法を探る時代にそろそろ日本もなってきているのかもしれません

2018-06-01 19:28:43

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2018年5月1日号

早く春が来たな、と思ったらもう今年は暑い日が多くなる予感が・・・。うまくいかないものです。

ところで半年前くらいまではもしかしたら戦争?などと危惧されていたのが、事態が一変しました。いい方に向かっているので、まずはやれやれといったところですがこのあまりにも急な態度の変化には何があったのでしょうか。むしろ何を考えているのか余計わからなくなり不気味です。

 

<かぜ情報>

新学期、新年度が始まり、少しかぜが増えています。特に幼稚園や保育園に入園したばかりのお子様が繰り返し風邪をひいているようなケースが散見されます。

花粉症はようやくピークは過ぎたようですが、ヒノキやイネ科に反応しやすい体質の場合はまだしばらく続きそうです。今年はスギが多かったのですが、ヒノキも多いようです。

 

<院長休診のお知らせ>

525日(金)の院長の診療は学会出張のため休診となります。前院長が代診いたします。

 

<糖尿病教室のお知らせ>

623日(土)17:00から糖尿病教室を開催します。

今回のテーマは災害時の対応についてです。奮ってご参加ください。

 

<糖尿病コーナー>

前回は「カーボカウント」についてご紹介しました。カーボカウントは炭水化物の数量を把握し、1日の決められた量を越えないようにうまく摂取するという考え方です。1型糖尿病患者さんなどインスリンが絶対的に必要になっている場合には、予め今から摂取する食事の炭水化物量を評価し、その量によってインスリンをうつ量を決める「応用カーボカウント」という方法があります。しかしこれはとても高度なもので一部の患者さん向けですのでここではご紹介しません。今回はもっと基本となる「食品交換表」について簡単にお話しします。食品交換表はわが国の糖尿病の食事療法の基本となるものとして長年にわたり推奨されてきました。かつては教育入院した患者さんは必ずこの方法による食事療法を実践するように指導されました。いまでも食品交換表は改訂を重ねており決して昔のものになっているわけではありませんが、実際に指導の場で使われることは減っています。なぜ減っているかは後述するとして、やはりこれはとてもよくできた素晴らしいものですのでまずは概略だけでも説明させていただきます。食品交換表はまず、食べものや6つの食品「表」と調味料に分類します。例えば、炭水化物をおもな成分とするもの、例えばご飯やパンや麺類は「表1」に分類されます。同じように果物は「表2」、お肉屋や魚、豆類など蛋白質を主な成分とするものは「表3」、乳製品などは「表4」、油を多く含むものは「表5」、そして野菜や海藻は「表6」となります。さらに、摂取するカロリー量を簡単に計算するために、80キロカロリーを「1単位」とします。各表には1単位の食事がどのくらいのものなか記載されています。例えば表1ではごはん50g、つまり小さいお茶碗の半分くらいが1単位と書かれています。つまり食品交換表とはすべての食事をカロリー量で示す「単位」に交換するものなのです。具体的な使用方法ですがまず一日の摂取カロリーを決めます。活動量、身長、ダイエットの必要性などを考慮して決められますが、ここでは仮に1600キロカロリーとしていみます。食品交換表では80キロカロリーが1単位なので1日20単位となります。単位が決まったらどの表に単位を割り振るか決めます。大雑把にいって主食となる表1に半分を割り当てると表1110単位を割りあてます。次に肉や魚など主菜となる蛋白質の多い「表3」さらにその半分5単位前後となり、残りを表2、4、5、6で割りあてます。ちなみに脂肪の多い表5は主に調味油について記載されています。単位の割り当てが決まったらさらにそれを朝昼夕の3食に3等分します。「交換」の意味はもう一つあり、同じ表のなかでは食品を交換できます。例えばごはんお茶碗軽く1杯と食パン6枚切り(表12単位同士)といった感じです。このようして出来上がった献立は栄養バランスが良く、また品数が多くなり「理想的」な食事となるのです。実際に食品交換表に乗っているサンプルの食事の写真を見るとほんとうにおいしそうです。こんな食事が毎日3食摂れたらそれだけで幸せかもしれません。しかし、ここまで読んで感じたと思われますが、この方法を実際に実践するは大変だと思います。夫婦共働きの世帯で仕事に追われて忙しいときにいったい誰が作るのか、仮に専業主婦だとしても毎日これを続けるのをすべての人に求めるは無理なことでしょう(多少の慣れは出てくるようですが)。そこがあまり使われなくなった理由でしょう。しかし、あくまでも理想でも知っておいて悪いことはないと思います。冒頭にわが国だけで推奨されていると書きましたが、これは和食の文化を背景にしたものであることは間違いありません。和食が世界無形文化財に登録されましたが、栄養学的に推奨されるだけでなく、文化的な食事は心まで豊にするのだと思います。

 

<院長の日記>

年をとるにしたがって時間が経つのが早く感じるのは誰もが経験することでしょう。それとは別に、ある程度長い時間が経ってみてどのくらい環境や自分の考えかたが変わったかというのはある程度自分の暮らしている社会情勢によって違ってくるのではないでしょうか。例えば30年たってどれだけ暮らしが変わったでしょうか。30年前というと私はちょうど中学生か高校生でした。バブル経済の真っ只中でした。そしてそのさらに30年前はどうだったでしょうか。今からちょうど60年前なので1958年頃、終戦後まだ13年くらいしかたっていません。東京オリンピックまではまだ約6年あり、安保闘争の直前くらいになります。ここで私の父に登場してもらいましょう。私が高校生くらいにその30年前、父は大学生になるかならないかくらいだったでしょう。当時はまだテレビが白黒で、まだ各家庭に普及しているというほどではなく、服装も大学生はまだ詰襟の学ランを着ていたことは父から聞いたことがあります。高校生の私にとってはそれは全く別の国とも言えるくらいの違った環境で想像しにくい世界です。今度は私の長男に登場してもらいましょう。今から30年前のバブル期の日本は今とそれほど劇的な変化があったとは思えません。今の子供たちと同じようにコンピューターゲームで遊んでいました。テレビが生活の中に深く浸透していました。多少のトレンドの変化もあるでしょうが、こどもの私がその30年前の状況を振り返ったときの異質感を息子はそれほど感じないのではないでしょうか。ネットの普及が最も大きな変化かもしれませんが、現在、自分の息子が30年前の自分とそれほど違った生活をしているようには見えません。同じように中学に登校し、部活をし、ゲームをしていました。時代の変化はどんどん早くなり、年をとるにつれてついていくのが大変と感じる方も多いかもしれませんが、この60年間を振りかえってみると少なくとも今の日本は劇的な変化が起きなくなってきており、安定した状態を享受しているとも言えるのではないでしょうか。社会に劇的な変化をもたらすものはやはり戦争でしょう。また、戦争ほどではないでしょうが、自然災害も社会の変化にある程度、影響するでしょう。戦争を起こさず、また自然災害は避けようがないにしても備えを怠らなない、どちらも難しいことかもしれませんが、社会としてこの2つを目指すことが最優先事項となるではないでしょうか。

2018-05-12 23:29:13

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2018年4月1日号

寒い冬があっという間に終わり、桜もあっという間に咲いてしまいました。もうちょっとゆっくり春になっても良かったのですが。あのインフルエンザの大流行はなんだったのでしょうか。

まぶしい日差しが苦手なので、春もおとなしく過ごしたいと思うこのごろです


<かぜ情報>

暖かくなってからかぜで受診される方も少なくなりました。代わりに今年は花粉症が多いです。

花粉の飛散量が多いようで、例年と同じお薬でも効果が実感できず、薬の追加や増量が必要になるケースが今年は多いです。花粉症は当たり前ですが原因がはっきりしています。とにかく花粉からの防護が基本です。薬はあくまでも症状を抑える二次的な治療です。そのあたりの心がけをお願いしたいところです。

 

<院長休診のお知らせ>

524日(金)の院長の診療は学会出張のため休診となります。前院長が代診いたします。

 

<糖尿病教室のお知らせ>

623日(土)17:00から糖尿病教室を開催します。

今回のテーマは災害時の対応についてです。奮ってご参加ください。

 

<糖尿病コーナー>

「カーボカウント」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「カーボ」とは炭水化物のことです。カロリー(エネルギー量)を適正量摂取し、かつ、カロリーを炭水化物、脂質、蛋白質の3大栄養素でバランスよく配分するのがわが国で推奨されている食事療法の基本です。ところが適正な栄養量をバランスよく実際に維持することはなかなか難しいところです。そこで、炭水化物の量の適正化により重点を置くのがカーボカウントです。「炭水化物(糖質)制限」が最近よく言われますが、ちょっと違います。カーボカウントは制限ではなく適正量を目指すものです。ただし、日本人は炭水化物の摂取量が多くなりやすいため、カーボカウントを意識すると実際には炭水化物制限になる場合が多いです。例えば、仕事で忙しい男性に多くみられるパターンで、朝食はコンビニのおにぎりとパン、昼食はカップラーメンや外食の麺類、夕食は丼もの、といった場合、炭水化物の比率が多いのが一目瞭然です。では、実際にカーボカウントはどうすればいいかというと、まずは、実際の食品に含まれる炭水化物の量を自分で把握するのです。例えばごはん軽く1杯(白米120g)では、炭水化物は約48g、食パン6枚切り1枚だと炭水化物30g、ゆでうどん1玉だと炭水化物48g、といった感じです。またコンビニやスーパーで売っている加工食品には炭水化物の量が記載されているので、その量を確認します。慣れればすぐに1日の炭水化物の総摂取量は把握できるようになります。そして1日の炭水化物の総摂取量が適正量に収まっているか確認するのです。1日の炭水化物の総摂取量は1日に適正なカロリー量を設定し、その概ね半分を炭水化物と設定すると自動的に算出されます。例えば1日の栄養摂取を2000キロカロリーとし、その半分を炭水化物とすると、1日に適正炭水化物の量は2000×1/2×1/4(炭水化物は1g4キロカロリー) = 250gとなります。朝昼夕の3食で均等にカロリー摂取し、間食やジュースなどは一切とらないとすると、250÷3 = 83g1食当たりの炭水化物となります。これが基本です。ちなみに理想的な配分の食事の場合、副食に含まれる炭水化物の量は摂取カロリーに関わらず1食あたりおよそ20gとなりますので、残りが一食の主食でとれる炭水化物となります。また、当然のことながら間食などをした場合は、その分の炭水化物量を食事で減らす必要があります。いろいろ数字が出てきて難しいと感じるかもしれませんが、ご自身の食事がどの程度の炭水化物量かを実際に調べてみることをお勧めします。尚、炭水化物と糖質の違いですが、以前もお話ししたことがあるように炭水化物=糖質+食物繊維 となります。ただし炭水化物に含まれる食物繊維はおおよそ5%程度と少ないことから、実際の計算では炭水化物=糖質としても大きな違いはありせん

 

<院長の日記>

近頃、AIという言葉をよく聞くようになりました。Artificial Intelligence=人工知能のことですが、AIによって私たちの生活は今後どう変わっていくのでしょうか。自動運転車や、その他ロボットなどによって、今まで人がしてきた仕事が減っていくかもしれないと言われています。ちょうど最近、SF小説を読むことが多くなりました。そこで、未来の医療の世界はどうなるのかと自分なりに勝手に空想し、小説仕立てで書いてみました。

20XX年、XX日の朝、圭人(けいと)は朝目覚めたときから、だるさと寒気を感じていた。嫌な予感、というよりもまず間違いなくかぜをひいたなとの実感があったが、それをまだ認める気になれず、オフィスに出勤した。今日は週に1度の出勤日だからである。圭人の仕事も他の仕事と同じく、ほとんどは自宅や旅先で済ませる仕組みになっていた。オフィスに出勤したときにはだるさは否定できないものになっていて、オフィスの自動体温計測装置で案の定、38℃の高熱を指摘され、すぐに帰宅するとともに「医療サービス」を受けるようにとの音声による勧告を受けてしまった。帰宅後、自分専用の通信端末に付属した自動バイタル測定アプリで全身をスキャンし、その情報とともに自分の症状を入力し、公的医療サービスネットワークに送った。ただちに、返信があり、診断名は「かぜ」となっていた。医療センターを受診する必要はなく、自宅安静の指示と漢方のかぜぐすりを至急、公的運送サービスによって宅配するとのことであった。また、漢方以外の処方を希望する、医療クリニックに直接行きたい、などの要望があれば「次のステップへ」のボタンを、診断結果を受け入れる場合は「了承」ボタンを押すように、との記載があった。いつものようにすぐに「了承」ボタンを押し、自分の想定範囲内の結果に安堵し、ベッドに入って休むことにした。圭人の健康情報はあらかじめ公的医療サービスに登録されており、過去の病気はもちろん、家族の病気、疾患に関係する一部の遺伝情報、漢方処方に必要な体質の情報(これはいまだに特殊な言い回しによる情報だが)が登録されており、医師の判断をいっさい経ることなく速やかな診断と処方がなされたのである。ここ、50年ほどは医療技術の進歩はほとんどなく、かわりにネットワークサービスとAIの導入、それに国民の健康意識の変化によって、かつての医療費による国家財政の逼迫という事態はほとんど解消されている(数十年前にこの国は一度国家財政が破綻したがそのときに国の負債も消滅した)。医師の必要数も圧倒的に減少した。一時の高齢化の進行も終わり、今では高齢者の比率は減少の一途となっている。何より、高齢により自分の身体の限界を感じると、自らの意志で医療サービスを受けるのは最小限にするといった意識が浸透し、医療サービスも本人の苦痛を取り除くとともに尊厳ある最期を迎えるようなサポートに特化するようにきりかわるシステムになっていた。国民もまだ若いころから自分の最期を常に意識するよう教育されていた。癌はいまだに死亡原因のトップであったが、遺伝子情報から個人に最適な治療法が選択されるようになっていた。当然、遺伝子情報から治療によるメリットがないと判断されたときには治療は行われないことになっている。圭人の祖父も昨年自宅(地域共同住宅)でかぜをきっかけに体調をくずしてから10日くらいで自宅にて息をひきとった。88歳であった。圭人もそのように最期を迎えたいとむしろうらやましく思った。

いかがでしたでしょうか。異論もあることでしょうがただの空想です。お許しください。

2018-04-11 07:40:09

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2018年3月1日号

今年は寒い日が続きましたが、寒がりの私でも2月の中旬頃から寒さにそれなりに慣れてきた気がします。寒いのは変わらないのですが、それを精神的に受け入れられるようになったというか、寒さを淡々としのぐことができるようになった気がします。ようやく慣れたと思ったら、もうすぐ春です。春もそれなりに苦手です。結局落ち着く季節なんかないんです。どうしてこんなにネガティブなのでしょう。


<かぜ情報>

2月途中まではインフルエンザの流行が凄まじかったです。学童については1月に小針小で学校閉鎖となりましたが、それでは終わらず、その後にやはり小針北小で流行が拡大しました。シーズン前にそうならなければいいな、と悲観的に予想したことがすべて現実化したと感じです。それでも、2月後半からは急に落ち着きました。インフルエンザウイルスもある程度広がるともう行き場がなくなるようです。代わってウイルス性胃腸炎がやや増えてきました。また学童で水痘が多くなっています。

ところで先日、北里メディカルの小児科の先生の講演をききましたが、肺炎球菌による髄膜炎が近年はほとんどみられなくなったとのことです。これは間違いなく、小児で数年前から開始された肺炎球菌のワクチンのおかげだそうです。ところが、肺炎球菌のうち、髄膜炎を起こす毒性の強い「莢膜型」は減ったのですが、代わりに別の「無莢膜型」が少し増えているとのことです。無莢膜型は感染性や毒性が弱いとされており、その理由でワクチンの対象から外れたのですが、どうやらその無莢膜型でも重篤な肺炎が起きた報告があるようで今後注意が必要かもしれません。ワクチンと細菌やウイルスとの戦いには終わりはないようですが、肺炎球菌ワクチンの効果は今後もしばらく期待できると思われますので、定期接種の対象になっているお子さんには受けていただきたいです。ちなみに子供に免疫ができると、家族への感染のリスクが減ることも期待できます。

 

<糖尿病コーナー>

前回ご紹介した注射薬GLP-1アナログの補足です。注射剤とはいえ、1週間に1回だけで自分では針を扱わないタイプが発売されて使いやすくなったこと、同じインクレチン関連薬のDPP4阻害薬よりもどうやら効果が高いことをお話ししました。さらに追加することとして、最近になり新たな報告が出ました。それはこの薬で、心血管イベント(心臓発作などのこと)のリスクが減るというものです。多くの患者さんを対照とした海外での大規模臨床試験の結果です。血糖を下げる薬は血糖を下げる効果があれば(当たり前ですが)、糖尿病の3大合併症の発症のリスクをある程度下げることは期待できます。問題なのは心血管イベントです。心血管イベントの発症を抑えるか、ではなく、そのリスクをかえって高めてしまうのではないかという危惧を払拭するデータが近年ではアメリカで求められるようになりました。そこで行われた大規模臨床試験においてリスクを高めるどころか、発症を抑えることが証明されたのです。心血管イベントの発症を抑える効果が証明された薬は実は多くありません。このGLP-1アナログと最も新しい薬「SGLT2阻害薬」(以前ここでも紹介した尿から糖を排出させる薬)と古くからあるメトホルミンの3種類だけです。各個人に合っているかや、副作用のリスクは別ですが、このような不都合なことが予想されない限りにおいてこの3種類の薬を使うことは議論において反駁することはなかなかできないくらいになりました。

 

<院長の日記>

平昌の冬季オリンピックが終わりました。私はそれほど一生懸命視聴したわけではなく、ニュースやダイジェスト版で見た程度です。むしろちょっと冷めた目で見ていたかもしれません。もちろん日本の選手が活躍してメダルをとったことはとても嬉しいのですが、競技そのものが特殊に見えるものばかりでそちらの方に興味が惹かれました。まず、冬季の競技は、当たりまえかもしれませんが、みんな「滑って」います。雪か氷の上をひたすら滑っています。つまりいかに雪か氷の上をうまく滑るか、が勝負を大きく左右します。今回はあまり日本で注目されていませんでしたがボブスレーやリュージュ、スケルトンなどは、言ってみればそり滑りです。そうきいただけでも楽しそうです。もちろん実際にはものすごい高速スピードで、滑り方にもいろいろあるのでしょうから、真面目にやっている選手には大変失礼な言い方かもしれません。そういえば、長野オリンピックのときの当時の長野県知事がスケートをみて「水すまし」みたいだと言ってしまい、マスコミにたたかれたことがあります。私はそういう見方は面白いと思うのですが。そもそも「滑走する」ということ自体は人間にとって楽しくて気持ちいいことだと思います。私もスキーをやって楽しいと感じましたし、スケートもちょっとやったことがありますがちょっとうまく滑れただけで、それはそれは楽しかったのを覚えています。氷や雪ではありませんが、子供も滑り台やウオータースライダーで嬉々として滑っています。また、「ジャンプ」という競技があります。あれはジャンプといいますが、別に鳥になれるわけではなく、したがって、飛んでいるのではなく「落ちている」のだそうです。どれだけ遠くに落ちるか、という競技なわけです。競技レベルではとても大変なことかもしれませんが、はじめは遊び感覚で楽しいものだったかもしれません。滑るだけではなく高いところから落ちる、これは楽しかったでしょう。選手も始めはヤミツキになるほど楽しんだのではないでしょうか。さて、今回女子が銅メダルをとったカーリングは中でも特殊なスポーツです。私の知るかぎり、このスポーツだけは自分が滑るのではなく、ものを滑らせています。実はいまだによくルールがわかりません。本当にわかっている人はどれだけいるのでしょうか。カーリングを全く知らない人に言葉だけで情景がリアルに浮かぶことを最優先に説明するとこんな風になるのではないでしょうか。「ツルツルに磨いた漬物石みたいなものを氷の上で滑らせて、その後デッキブラシで頑張って氷をゴシゴシ磨いて進路やスピードを調節する。そして円が描いてあるところのなるべく中心に近いところにちょうどうまく漬物石が止まるようにする。その時にビリヤードみたいに相手の漬物石をはじきとばしていい。また、女子選手はみなきれいにメイクをして半そでを着ているので、観客の中にはそういう目で見ている人もいる」。大変に失礼かつ、的確な表現ではないでしょうか。もし私が有名人ならたちまちバッシング受けるでしょう。有名人でなくてよかったです。でもこの競技、日本人に向いているように見えます。銀メダルも同じアジア人の韓国でした。他にも日本の女子がメダルをとったスピードスケートの「チームパシュート」や「マススタート」も不思議な競技です。仲間を置いてけぼりにした韓国の選手が猛烈なバッシングにあったこともありました。置いてけぼりにして、しれっとした発言をした選手もなかなか変わっていますがそれに対して署名までしてムキになって怒るなんて。ちなみにその後の順位決定戦は露骨なくらいにゆっくり滑走してみんなで一緒にゴールしていました。今回のオリンピックでもっと印象的な光景でした(金メダルをとった日本人選手、ごめんなさい)。

2018-03-04 17:53:42

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