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2018年5月1日号

早く春が来たな、と思ったらもう今年は暑い日が多くなる予感が・・・。うまくいかないものです。

ところで半年前くらいまではもしかしたら戦争?などと危惧されていたのが、事態が一変しました。いい方に向かっているので、まずはやれやれといったところですがこのあまりにも急な態度の変化には何があったのでしょうか。むしろ何を考えているのか余計わからなくなり不気味です。

 

<かぜ情報>

新学期、新年度が始まり、少しかぜが増えています。特に幼稚園や保育園に入園したばかりのお子様が繰り返し風邪をひいているようなケースが散見されます。

花粉症はようやくピークは過ぎたようですが、ヒノキやイネ科に反応しやすい体質の場合はまだしばらく続きそうです。今年はスギが多かったのですが、ヒノキも多いようです。

 

<院長休診のお知らせ>

525日(金)の院長の診療は学会出張のため休診となります。前院長が代診いたします。

 

<糖尿病教室のお知らせ>

623日(土)17:00から糖尿病教室を開催します。

今回のテーマは災害時の対応についてです。奮ってご参加ください。

 

<糖尿病コーナー>

前回は「カーボカウント」についてご紹介しました。カーボカウントは炭水化物の数量を把握し、1日の決められた量を越えないようにうまく摂取するという考え方です。1型糖尿病患者さんなどインスリンが絶対的に必要になっている場合には、予め今から摂取する食事の炭水化物量を評価し、その量によってインスリンをうつ量を決める「応用カーボカウント」という方法があります。しかしこれはとても高度なもので一部の患者さん向けですのでここではご紹介しません。今回はもっと基本となる「食品交換表」について簡単にお話しします。食品交換表はわが国の糖尿病の食事療法の基本となるものとして長年にわたり推奨されてきました。かつては教育入院した患者さんは必ずこの方法による食事療法を実践するように指導されました。いまでも食品交換表は改訂を重ねており決して昔のものになっているわけではありませんが、実際に指導の場で使われることは減っています。なぜ減っているかは後述するとして、やはりこれはとてもよくできた素晴らしいものですのでまずは概略だけでも説明させていただきます。食品交換表はまず、食べものや6つの食品「表」と調味料に分類します。例えば、炭水化物をおもな成分とするもの、例えばご飯やパンや麺類は「表1」に分類されます。同じように果物は「表2」、お肉屋や魚、豆類など蛋白質を主な成分とするものは「表3」、乳製品などは「表4」、油を多く含むものは「表5」、そして野菜や海藻は「表6」となります。さらに、摂取するカロリー量を簡単に計算するために、80キロカロリーを「1単位」とします。各表には1単位の食事がどのくらいのものなか記載されています。例えば表1ではごはん50g、つまり小さいお茶碗の半分くらいが1単位と書かれています。つまり食品交換表とはすべての食事をカロリー量で示す「単位」に交換するものなのです。具体的な使用方法ですがまず一日の摂取カロリーを決めます。活動量、身長、ダイエットの必要性などを考慮して決められますが、ここでは仮に1600キロカロリーとしていみます。食品交換表では80キロカロリーが1単位なので1日20単位となります。単位が決まったらどの表に単位を割り振るか決めます。大雑把にいって主食となる表1に半分を割り当てると表1110単位を割りあてます。次に肉や魚など主菜となる蛋白質の多い「表3」さらにその半分5単位前後となり、残りを表2、4、5、6で割りあてます。ちなみに脂肪の多い表5は主に調味油について記載されています。単位の割り当てが決まったらさらにそれを朝昼夕の3食に3等分します。「交換」の意味はもう一つあり、同じ表のなかでは食品を交換できます。例えばごはんお茶碗軽く1杯と食パン6枚切り(表12単位同士)といった感じです。このようして出来上がった献立は栄養バランスが良く、また品数が多くなり「理想的」な食事となるのです。実際に食品交換表に乗っているサンプルの食事の写真を見るとほんとうにおいしそうです。こんな食事が毎日3食摂れたらそれだけで幸せかもしれません。しかし、ここまで読んで感じたと思われますが、この方法を実際に実践するは大変だと思います。夫婦共働きの世帯で仕事に追われて忙しいときにいったい誰が作るのか、仮に専業主婦だとしても毎日これを続けるのをすべての人に求めるは無理なことでしょう(多少の慣れは出てくるようですが)。そこがあまり使われなくなった理由でしょう。しかし、あくまでも理想でも知っておいて悪いことはないと思います。冒頭にわが国だけで推奨されていると書きましたが、これは和食の文化を背景にしたものであることは間違いありません。和食が世界無形文化財に登録されましたが、栄養学的に推奨されるだけでなく、文化的な食事は心まで豊にするのだと思います。

 

<院長の日記>

年をとるにしたがって時間が経つのが早く感じるのは誰もが経験することでしょう。それとは別に、ある程度長い時間が経ってみてどのくらい環境や自分の考えかたが変わったかというのはある程度自分の暮らしている社会情勢によって違ってくるのではないでしょうか。例えば30年たってどれだけ暮らしが変わったでしょうか。30年前というと私はちょうど中学生か高校生でした。バブル経済の真っ只中でした。そしてそのさらに30年前はどうだったでしょうか。今からちょうど60年前なので1958年頃、終戦後まだ13年くらいしかたっていません。東京オリンピックまではまだ約6年あり、安保闘争の直前くらいになります。ここで私の父に登場してもらいましょう。私が高校生くらいにその30年前、父は大学生になるかならないかくらいだったでしょう。当時はまだテレビが白黒で、まだ各家庭に普及しているというほどではなく、服装も大学生はまだ詰襟の学ランを着ていたことは父から聞いたことがあります。高校生の私にとってはそれは全く別の国とも言えるくらいの違った環境で想像しにくい世界です。今度は私の長男に登場してもらいましょう。今から30年前のバブル期の日本は今とそれほど劇的な変化があったとは思えません。今の子供たちと同じようにコンピューターゲームで遊んでいました。テレビが生活の中に深く浸透していました。多少のトレンドの変化もあるでしょうが、こどもの私がその30年前の状況を振り返ったときの異質感を息子はそれほど感じないのではないでしょうか。ネットの普及が最も大きな変化かもしれませんが、現在、自分の息子が30年前の自分とそれほど違った生活をしているようには見えません。同じように中学に登校し、部活をし、ゲームをしていました。時代の変化はどんどん早くなり、年をとるにつれてついていくのが大変と感じる方も多いかもしれませんが、この60年間を振りかえってみると少なくとも今の日本は劇的な変化が起きなくなってきており、安定した状態を享受しているとも言えるのではないでしょうか。社会に劇的な変化をもたらすものはやはり戦争でしょう。また、戦争ほどではないでしょうが、自然災害も社会の変化にある程度、影響するでしょう。戦争を起こさず、また自然災害は避けようがないにしても備えを怠らなない、どちらも難しいことかもしれませんが、社会としてこの2つを目指すことが最優先事項となるではないでしょうか。

2018-05-12 23:29:13

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2018年4月1日号

寒い冬があっという間に終わり、桜もあっという間に咲いてしまいました。もうちょっとゆっくり春になっても良かったのですが。あのインフルエンザの大流行はなんだったのでしょうか。

まぶしい日差しが苦手なので、春もおとなしく過ごしたいと思うこのごろです


<かぜ情報>

暖かくなってからかぜで受診される方も少なくなりました。代わりに今年は花粉症が多いです。

花粉の飛散量が多いようで、例年と同じお薬でも効果が実感できず、薬の追加や増量が必要になるケースが今年は多いです。花粉症は当たり前ですが原因がはっきりしています。とにかく花粉からの防護が基本です。薬はあくまでも症状を抑える二次的な治療です。そのあたりの心がけをお願いしたいところです。

 

<院長休診のお知らせ>

524日(金)の院長の診療は学会出張のため休診となります。前院長が代診いたします。

 

<糖尿病教室のお知らせ>

623日(土)17:00から糖尿病教室を開催します。

今回のテーマは災害時の対応についてです。奮ってご参加ください。

 

<糖尿病コーナー>

「カーボカウント」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「カーボ」とは炭水化物のことです。カロリー(エネルギー量)を適正量摂取し、かつ、カロリーを炭水化物、脂質、蛋白質の3大栄養素でバランスよく配分するのがわが国で推奨されている食事療法の基本です。ところが適正な栄養量をバランスよく実際に維持することはなかなか難しいところです。そこで、炭水化物の量の適正化により重点を置くのがカーボカウントです。「炭水化物(糖質)制限」が最近よく言われますが、ちょっと違います。カーボカウントは制限ではなく適正量を目指すものです。ただし、日本人は炭水化物の摂取量が多くなりやすいため、カーボカウントを意識すると実際には炭水化物制限になる場合が多いです。例えば、仕事で忙しい男性に多くみられるパターンで、朝食はコンビニのおにぎりとパン、昼食はカップラーメンや外食の麺類、夕食は丼もの、といった場合、炭水化物の比率が多いのが一目瞭然です。では、実際にカーボカウントはどうすればいいかというと、まずは、実際の食品に含まれる炭水化物の量を自分で把握するのです。例えばごはん軽く1杯(白米120g)では、炭水化物は約48g、食パン6枚切り1枚だと炭水化物30g、ゆでうどん1玉だと炭水化物48g、といった感じです。またコンビニやスーパーで売っている加工食品には炭水化物の量が記載されているので、その量を確認します。慣れればすぐに1日の炭水化物の総摂取量は把握できるようになります。そして1日の炭水化物の総摂取量が適正量に収まっているか確認するのです。1日の炭水化物の総摂取量は1日に適正なカロリー量を設定し、その概ね半分を炭水化物と設定すると自動的に算出されます。例えば1日の栄養摂取を2000キロカロリーとし、その半分を炭水化物とすると、1日に適正炭水化物の量は2000×1/2×1/4(炭水化物は1g4キロカロリー) = 250gとなります。朝昼夕の3食で均等にカロリー摂取し、間食やジュースなどは一切とらないとすると、250÷3 = 83g1食当たりの炭水化物となります。これが基本です。ちなみに理想的な配分の食事の場合、副食に含まれる炭水化物の量は摂取カロリーに関わらず1食あたりおよそ20gとなりますので、残りが一食の主食でとれる炭水化物となります。また、当然のことながら間食などをした場合は、その分の炭水化物量を食事で減らす必要があります。いろいろ数字が出てきて難しいと感じるかもしれませんが、ご自身の食事がどの程度の炭水化物量かを実際に調べてみることをお勧めします。尚、炭水化物と糖質の違いですが、以前もお話ししたことがあるように炭水化物=糖質+食物繊維 となります。ただし炭水化物に含まれる食物繊維はおおよそ5%程度と少ないことから、実際の計算では炭水化物=糖質としても大きな違いはありせん

 

<院長の日記>

近頃、AIという言葉をよく聞くようになりました。Artificial Intelligence=人工知能のことですが、AIによって私たちの生活は今後どう変わっていくのでしょうか。自動運転車や、その他ロボットなどによって、今まで人がしてきた仕事が減っていくかもしれないと言われています。ちょうど最近、SF小説を読むことが多くなりました。そこで、未来の医療の世界はどうなるのかと自分なりに勝手に空想し、小説仕立てで書いてみました。

20XX年、XX日の朝、圭人(けいと)は朝目覚めたときから、だるさと寒気を感じていた。嫌な予感、というよりもまず間違いなくかぜをひいたなとの実感があったが、それをまだ認める気になれず、オフィスに出勤した。今日は週に1度の出勤日だからである。圭人の仕事も他の仕事と同じく、ほとんどは自宅や旅先で済ませる仕組みになっていた。オフィスに出勤したときにはだるさは否定できないものになっていて、オフィスの自動体温計測装置で案の定、38℃の高熱を指摘され、すぐに帰宅するとともに「医療サービス」を受けるようにとの音声による勧告を受けてしまった。帰宅後、自分専用の通信端末に付属した自動バイタル測定アプリで全身をスキャンし、その情報とともに自分の症状を入力し、公的医療サービスネットワークに送った。ただちに、返信があり、診断名は「かぜ」となっていた。医療センターを受診する必要はなく、自宅安静の指示と漢方のかぜぐすりを至急、公的運送サービスによって宅配するとのことであった。また、漢方以外の処方を希望する、医療クリニックに直接行きたい、などの要望があれば「次のステップへ」のボタンを、診断結果を受け入れる場合は「了承」ボタンを押すように、との記載があった。いつものようにすぐに「了承」ボタンを押し、自分の想定範囲内の結果に安堵し、ベッドに入って休むことにした。圭人の健康情報はあらかじめ公的医療サービスに登録されており、過去の病気はもちろん、家族の病気、疾患に関係する一部の遺伝情報、漢方処方に必要な体質の情報(これはいまだに特殊な言い回しによる情報だが)が登録されており、医師の判断をいっさい経ることなく速やかな診断と処方がなされたのである。ここ、50年ほどは医療技術の進歩はほとんどなく、かわりにネットワークサービスとAIの導入、それに国民の健康意識の変化によって、かつての医療費による国家財政の逼迫という事態はほとんど解消されている(数十年前にこの国は一度国家財政が破綻したがそのときに国の負債も消滅した)。医師の必要数も圧倒的に減少した。一時の高齢化の進行も終わり、今では高齢者の比率は減少の一途となっている。何より、高齢により自分の身体の限界を感じると、自らの意志で医療サービスを受けるのは最小限にするといった意識が浸透し、医療サービスも本人の苦痛を取り除くとともに尊厳ある最期を迎えるようなサポートに特化するようにきりかわるシステムになっていた。国民もまだ若いころから自分の最期を常に意識するよう教育されていた。癌はいまだに死亡原因のトップであったが、遺伝子情報から個人に最適な治療法が選択されるようになっていた。当然、遺伝子情報から治療によるメリットがないと判断されたときには治療は行われないことになっている。圭人の祖父も昨年自宅(地域共同住宅)でかぜをきっかけに体調をくずしてから10日くらいで自宅にて息をひきとった。88歳であった。圭人もそのように最期を迎えたいとむしろうらやましく思った。

いかがでしたでしょうか。異論もあることでしょうがただの空想です。お許しください。

2018-04-11 07:40:09

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2018年3月1日号

今年は寒い日が続きましたが、寒がりの私でも2月の中旬頃から寒さにそれなりに慣れてきた気がします。寒いのは変わらないのですが、それを精神的に受け入れられるようになったというか、寒さを淡々としのぐことができるようになった気がします。ようやく慣れたと思ったら、もうすぐ春です。春もそれなりに苦手です。結局落ち着く季節なんかないんです。どうしてこんなにネガティブなのでしょう。


<かぜ情報>

2月途中まではインフルエンザの流行が凄まじかったです。学童については1月に小針小で学校閉鎖となりましたが、それでは終わらず、その後にやはり小針北小で流行が拡大しました。シーズン前にそうならなければいいな、と悲観的に予想したことがすべて現実化したと感じです。それでも、2月後半からは急に落ち着きました。インフルエンザウイルスもある程度広がるともう行き場がなくなるようです。代わってウイルス性胃腸炎がやや増えてきました。また学童で水痘が多くなっています。

ところで先日、北里メディカルの小児科の先生の講演をききましたが、肺炎球菌による髄膜炎が近年はほとんどみられなくなったとのことです。これは間違いなく、小児で数年前から開始された肺炎球菌のワクチンのおかげだそうです。ところが、肺炎球菌のうち、髄膜炎を起こす毒性の強い「莢膜型」は減ったのですが、代わりに別の「無莢膜型」が少し増えているとのことです。無莢膜型は感染性や毒性が弱いとされており、その理由でワクチンの対象から外れたのですが、どうやらその無莢膜型でも重篤な肺炎が起きた報告があるようで今後注意が必要かもしれません。ワクチンと細菌やウイルスとの戦いには終わりはないようですが、肺炎球菌ワクチンの効果は今後もしばらく期待できると思われますので、定期接種の対象になっているお子さんには受けていただきたいです。ちなみに子供に免疫ができると、家族への感染のリスクが減ることも期待できます。

 

<糖尿病コーナー>

前回ご紹介した注射薬GLP-1アナログの補足です。注射剤とはいえ、1週間に1回だけで自分では針を扱わないタイプが発売されて使いやすくなったこと、同じインクレチン関連薬のDPP4阻害薬よりもどうやら効果が高いことをお話ししました。さらに追加することとして、最近になり新たな報告が出ました。それはこの薬で、心血管イベント(心臓発作などのこと)のリスクが減るというものです。多くの患者さんを対照とした海外での大規模臨床試験の結果です。血糖を下げる薬は血糖を下げる効果があれば(当たり前ですが)、糖尿病の3大合併症の発症のリスクをある程度下げることは期待できます。問題なのは心血管イベントです。心血管イベントの発症を抑えるか、ではなく、そのリスクをかえって高めてしまうのではないかという危惧を払拭するデータが近年ではアメリカで求められるようになりました。そこで行われた大規模臨床試験においてリスクを高めるどころか、発症を抑えることが証明されたのです。心血管イベントの発症を抑える効果が証明された薬は実は多くありません。このGLP-1アナログと最も新しい薬「SGLT2阻害薬」(以前ここでも紹介した尿から糖を排出させる薬)と古くからあるメトホルミンの3種類だけです。各個人に合っているかや、副作用のリスクは別ですが、このような不都合なことが予想されない限りにおいてこの3種類の薬を使うことは議論において反駁することはなかなかできないくらいになりました。

 

<院長の日記>

平昌の冬季オリンピックが終わりました。私はそれほど一生懸命視聴したわけではなく、ニュースやダイジェスト版で見た程度です。むしろちょっと冷めた目で見ていたかもしれません。もちろん日本の選手が活躍してメダルをとったことはとても嬉しいのですが、競技そのものが特殊に見えるものばかりでそちらの方に興味が惹かれました。まず、冬季の競技は、当たりまえかもしれませんが、みんな「滑って」います。雪か氷の上をひたすら滑っています。つまりいかに雪か氷の上をうまく滑るか、が勝負を大きく左右します。今回はあまり日本で注目されていませんでしたがボブスレーやリュージュ、スケルトンなどは、言ってみればそり滑りです。そうきいただけでも楽しそうです。もちろん実際にはものすごい高速スピードで、滑り方にもいろいろあるのでしょうから、真面目にやっている選手には大変失礼な言い方かもしれません。そういえば、長野オリンピックのときの当時の長野県知事がスケートをみて「水すまし」みたいだと言ってしまい、マスコミにたたかれたことがあります。私はそういう見方は面白いと思うのですが。そもそも「滑走する」ということ自体は人間にとって楽しくて気持ちいいことだと思います。私もスキーをやって楽しいと感じましたし、スケートもちょっとやったことがありますがちょっとうまく滑れただけで、それはそれは楽しかったのを覚えています。氷や雪ではありませんが、子供も滑り台やウオータースライダーで嬉々として滑っています。また、「ジャンプ」という競技があります。あれはジャンプといいますが、別に鳥になれるわけではなく、したがって、飛んでいるのではなく「落ちている」のだそうです。どれだけ遠くに落ちるか、という競技なわけです。競技レベルではとても大変なことかもしれませんが、はじめは遊び感覚で楽しいものだったかもしれません。滑るだけではなく高いところから落ちる、これは楽しかったでしょう。選手も始めはヤミツキになるほど楽しんだのではないでしょうか。さて、今回女子が銅メダルをとったカーリングは中でも特殊なスポーツです。私の知るかぎり、このスポーツだけは自分が滑るのではなく、ものを滑らせています。実はいまだによくルールがわかりません。本当にわかっている人はどれだけいるのでしょうか。カーリングを全く知らない人に言葉だけで情景がリアルに浮かぶことを最優先に説明するとこんな風になるのではないでしょうか。「ツルツルに磨いた漬物石みたいなものを氷の上で滑らせて、その後デッキブラシで頑張って氷をゴシゴシ磨いて進路やスピードを調節する。そして円が描いてあるところのなるべく中心に近いところにちょうどうまく漬物石が止まるようにする。その時にビリヤードみたいに相手の漬物石をはじきとばしていい。また、女子選手はみなきれいにメイクをして半そでを着ているので、観客の中にはそういう目で見ている人もいる」。大変に失礼かつ、的確な表現ではないでしょうか。もし私が有名人ならたちまちバッシング受けるでしょう。有名人でなくてよかったです。でもこの競技、日本人に向いているように見えます。銀メダルも同じアジア人の韓国でした。他にも日本の女子がメダルをとったスピードスケートの「チームパシュート」や「マススタート」も不思議な競技です。仲間を置いてけぼりにした韓国の選手が猛烈なバッシングにあったこともありました。置いてけぼりにして、しれっとした発言をした選手もなかなか変わっていますがそれに対して署名までしてムキになって怒るなんて。ちなみにその後の順位決定戦は露骨なくらいにゆっくり滑走してみんなで一緒にゴールしていました。今回のオリンピックでもっと印象的な光景でした(金メダルをとった日本人選手、ごめんなさい)。

2018-03-04 17:53:42

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2018年2月1日号

厳しい寒さが続いております。いかがお過ごしでしょうか。寒がりの私には本当にこたえます。特に朝は本当につらいですね。寒がりなりに、いろいろ自分で工夫して乗り切るようにしています。まず、下着は上下ともユニクロの「極暖(ごくだん)」を着ます。ちょっと高いですが。冷たい食べものや飲みものは決して口にしません。朝食時は暖かいスープを飲みます。また、職場の暖房のタイマーをセットして出勤前から電源が入るようにしておきます。手が常に冷たいのでずっとカイロをもっています。特に寒い日は肩のあたりに貼るカイロも使います。ここまでしても特に足などはまだ寒いです。夕方になってようやく冷えがとれるくらいです。厚い靴下に熱いサンダルを履いていますが、時には足に汗をかいているのに冷たいというときもあります。お恥ずかしい話ですが。

 

<かぜ情報>

1月からインフルエンザがかなりの流行となっています。A型とB型が同時に流行するという奇妙な状態でしたが、1月後半からはB型の方が多くなっている印象です。また、この地域では学童で流行が広がりました。小針小、小針北小、小針中の3校が当院でもおなじみの学校ですが、今年は珍しく小針小で大流行となり学校閉鎖にもなりました。例年は小針北小ばかりの流行ですが、今年は逆でした。小針中では例年通りの断続的な流行となっています。小針小はさすがにピークは過ぎだと思います。このまま小針北小で大流行にならないうちにシーズンが終わって欲しいものです。

成人では高熱などのインフルエンザの典型的な症状がなくても検査でインフルエンザが判明することがあります。微熱あるいは平熱でもだるさや寒気が気になる場合や家族などにインフルエンザにかかっている人がいる場合には積極的に検査を受けることをお勧めします。

 

<糖尿病コーナー>

今回はいままでご紹介したことのない新しいタイプの糖尿病のお薬を紹介します。「GLP-1受容体作動薬」と一般的によばれるものです。これは現在わが国で最も広く使われている内服薬「DPP4阻害薬」と似た系統のお薬です。どちらも「インクレチン関連薬」というグループになります。DPP4阻害薬は当院でも数多くの患者様に処方させていただいております。先日も統計をとってみましたが、7割以上の患者様に内服していただいております。この両者の属するインクレチン関連薬は食後のすい臓からインスリンの分泌を促進する働きをもちます。もともとインクレチンは人の消化管から分泌されるのですが、インクレチン関連薬はこのインクチンの働きを強くするようになっているのです。では、同じインクレチン関連薬に属するGLP-1受容体作動薬とDPP4阻害剤の両者の違いは何か、というのが興味深いところだと思います。まず、GLP-1受容体作動薬は注射剤です。また使用開始直後は食欲が低下したり、人によっては吐き気を感じる人もいます。しかし、これらの副作用によって自然と食事量が減ることになりますし、血糖を下げる効果もGLP-1受容体作動薬の方が高いと言われており、また体重減少効果も高いと言われています。インクレチンを介する作用は人の体にとってより自然な形で血糖下げる作用になりますので、両者とも理にかなっており、さらにGLP-1受容体作動薬の方が効果が高いですから、本来であればDPP4阻害剤よりも広く使われてしかるべき薬剤のはずです。ところが発売されて5年以上たちますがわが国では普及がすすんでいませんでした。それはやはり、注射剤であることと副作用が出やすいということが背景にあると思われます。しかし、最近になってより使いやすいGLP-1受容体作用薬が登場しました。このくすりは注射であることは変わりないのですが、1週間に1回の使用だけで効くようになっています。また注射剤なのですが実際には針は見えません。ボタンを押すと数秒間だけ自動的に出てきてすぐに引っ込むようになっています。自分の手で針を扱うことは一切ありません。また、副作用もほとんど感じなくなりました。ここまで改良されると、毎日の内服薬よりもかえって手間が減ったともいえます。当院でも最近になり処方をするようになりましたが、血糖降下作用が思っていた以上に高く、また使用している患者様の感想も良好で、これまで途中で止めた人はいません。ただし、費用については高くなってしまいます。医療機関の窓口でかかるコスト(自己注射管理加算)が3割負担で1か月で約2000円、薬局で支払う薬価が3割負担で1か月4000円代後半となります。ただしDPP4阻害剤との併用はできないことになっていますので、ほとんどの場合DPP4阻害薬を中止することになり、その分の薬価は減ります(3割負担で1か月で1500円くらい)。今後は血糖コントロールがうまくいかない場合などに当方から実際に製剤見本をお見せしながらお勧めするかもしれません。またご自身で興味をもたれた場合にはお申し出ください(最終的な適否については当方で判断します)。

 

 

<院長の日記>

先日、久しぶりにプラモデルを作りました。宇宙戦艦ヤマトに出てくる、「アンドロメダ」という宇宙戦艦です。ヤマトと同じく地球防衛軍の戦艦で、当時はヤマトよりかっこいいと言われていましたが、実際その通りだと思います。小学生の時に作ったことがありますが、バンダイからより大きいスケールのものが発売されていたのでアマゾンで思わず買ってしまいました。1万円もしました。当時のものよりももちろんよりプラモデルとしての作りが精密になり、接着剤なしでも組み立てられるようになっています。果たして完成したものは、というとやはりカッコいいです。内部に電池を内蔵し、エンジンや艦橋にLEDランプがつきますし、波動砲という必殺兵器の発射音と発射光も楽しめます。自分の部屋に飾って悦に入っています。以前、ガンダムのプラモデル「ガンプラ」について書きましたが、子供のころは他にもたくさん作りました。中でも戦艦とお城をたくさん作りました。戦艦などは何十隻も作り艦隊になってしまうほどでした。戦艦のお気に入りは「伊勢(同型艦:日向)、長門(同型艦:陸奥)、空母信濃、重巡洋艦「高雄」などでした。お城のお気に入りは「岐阜城」「和歌山城」「松山城」「高知城」などでした。昔を思い出しているうちにまた作りたくなってしまいました。しばらく忘れていたプラモデルですが、大人になってもこのように気持ちになるとは思ってもみませんでした。でも作るからには子供のときに作ったものよりもよりリアルに上手に作らなければいけないと思います。「大人」が作るものですから。例えば自分で細かい塗装をしたり、バリと呼ばれる部分をきれいに削りとることなどが求められるでしょう。少なくとも人に見せるならそこまでしないといけません。塗装について具体的な例を挙げると、空母の戦闘機を1機づつ、丁寧に仕上げる、お城の石垣や草木の塗装で汚れや経年変化の実感を出す、などです。でも今の私にさすがにここまでできる覚悟はまだありません。せっかく作るなら、と自分でハードルをあげておいてかえって作れなくなる。困ったものです。プラモデル教室などがあれば通いたいです。

2018-02-05 19:40:35

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2018年1月1日号

今年もよろしくお願いいたします。早くも来年の話ですが、平成は31年(2019年)4月で終わることが昨年暮れに決まりました。ということは今年が一年間通して存在する形としては平成の最後の一年、実質最後の平成の年と言ってもいいでしょう。私も含めてある程度の年代以上の人にとっては昭和が終わったことで大きな区切りがついたのを実感しましたが、その昭和の次の年号ももう終わってしまうとは・・・。しかも平成になって30年もたったなんてちょっと信じられません。次の天皇になられる皇太子様は57歳です。既に結構なお年になっていらっしゃいました。とういことは同じようなお年ごろでまた年号が変わるのはやはり30年後くらいでしょうか。その時は皆さま何歳になってどのように過ごされているでしょうか。

 

<かぜ情報>

12月からインフルエンザの流行が始まりました。幼稚園や学校の冬休みが終わるとさらに流行が拡大することが予想されます。ワクチンを接種しても残念ながらかかってしまう場合はあります。流行が終息するまではワクチンを接種したからといっても決して油断せず基本的な予防策を講じていただきたいと思います。特にマスク着用と体力の維持が有効だと思います。

今回はA型だけではなく2割くらいはB型も同時流行しています。ちょっと奇妙な流行りかたです。

 

<糖尿病コーナー>

年末年始を過ごされて、お酒を飲む機会もいつもより多かったかもしれません。お酒、すなわちアルコールは血糖値にどのような影響を及ぼすのでしょうか。以前も触れたことがありますが改めてまとめてみたいと思います。アルコールが血糖に及ぼす影響は複雑です。血糖値を上げることもありありますし、下げることもあります。アルコール自体の直接的な作用として、血糖を上昇させる作用はあります。糖新生といって肝臓が糖を作るのを促しますし、一緒に摂取する食べものの消化や吸収のスピードを上げます。これも血糖を上げやすくします。間接的作用としては、食欲の亢進による食物の過剰摂取、晩酌と称して夜の遅い時間までの食物摂取や、長い時間の食物摂取なども挙げられます。このあたりの行動にはかなり個人差もあるでしょう。アルコール自体にもカロリーとなりますが実際はエネルギー源とはならず、「エンプティ―(空の)・カロリー」と言われています。また長期にわたる過度な飲酒は肝機能の直接的な悪化となり肝硬変に至ってしまうこともあります。肝臓は糖を作だけでなく糖を代謝する大切な臓器ですので血糖値には大きく影響します。アルコールによる膵炎などでも血糖を下げにくくする一因ともなります。

一方で、アルコールの摂取で低血糖を起こすこともあります。アルコールを肝臓で代謝するのに使われる補酵素は肝臓で糖を作る糖新生にも必要です。従って、過剰のアルコールを代謝するときにはその補酵素が足りなくなり、その分糖新生が減ってしまうのです。お酒を飲んだ後にラーメンが欲しくなることがあると思います。人によってはアイスクリームなど甘いものかもしれません。その背景には低血糖が影響しているのです。もし、インスリンや一部の薬で治療をしている場合には予想外の低血糖を起こすことがあり危険です。アルコールで酩酊しているときなどは低血糖に気づけずに重篤な状態に至る可能性もあります。以上、アルコールには様々な作用がありますが、ひとことで言ってしまうと血糖値が乱れやすくなるということです。これには個人差もあります。例えばお酒を控えたら血糖コントロールが劇的に良くなることもしばしばあります。もし、お酒をたしなまれる方であればお酒を試しに控えてみることをお勧めします。私は個人的にはアルコール依存症の場合やアルコール性の重い肝機能障害や膵炎がある場合以外は禁酒までは必要ないと思いますが、人によってはうまく付き合えないこともありますのでそのときはやはりいったん禁酒することをお勧めします。そこそこうまく付き合えるのであればそれでもいいと思います。禁酒によってかえって炭水化物などの摂取が増えすぎてしまう場合もありますし、過度なストレスにもなりかねません。また、最近「糖類ゼロ」や「ゼロカロリー」といった表示のアルコールが販売されていますが、ノンアルコールではない限り、結局は「お酒」です。あまりそれらの表示に意味はないと思います。かえって誤解して多く飲んでしまわないようにご注意ください。年末年始でお酒をたくさん飲んでHbA1cが今月は上がってしまった方は1月、2月はその分を取り返す「キャンペーン期間」くらいに思っていただければと思います。

 

<院長の日記>

人は皆、必ず年をとります。とはいっても年をとるイコール体の衰えと考えてしまうとやはりつらい気持ちにはなります。ご高齢の方からは、やはり体力の衰えや体調の悪化、環境の変化などに対応できないことからくるつらい気持ちを聞かされることが確かに多いです。自分自身も40代なかばとなり、「老い」からくる体調面の変化を実感することが多くなりました。白髪は増えました。肌がカサカサです。書類を手で扱うときについ指先を舐めてしまうことがあります。近くのものが明らかに見えにくくなりました。慢性的な冷えと腰痛になってしまっています。もっと年配の方からすればそれくらい大したことはないと思われるかもしれませんが、それに気づいたときはやはり落ち込みます。しかし、それは受け入れるしかないと思います。むしろ受け入れられない方がつらくなるばかりです。これは一種の「悟り」ではないでしょうか。それとともに心も老いていくのではなく「成長」するのではないでしょうか。そうは言っても同じ年で今と昔を比較した場合、今の高齢者と呼ばれる方たちは身体的にも気持ち的にも明らかに若くなっていると思います。例えば、70歳くらいなら昔はいかにも「おじいちゃん」「おばあちゃん」といった外見のそれなりの恰好でよかったのかもしれません。しかし今の70歳の人の方は明らかに若くなっているようにみえます。でも「若作り」とは違うと思います。「若作り」という言葉は言い得て妙な言葉だと思いますが、昔は年齢に逆らっていつまでも若い恰好をしている人はみっともないことだととらえたのでしょう。巷では「アンチエイジング」とか「美魔女」など年をとることに逆らうことがもてはやされる風潮があるように思います。テレビで「美魔女」などと言われてもてはやされる人をみると私などはちょっと気の毒に見えます。自分の老いから目をそむけているか、認めるのを「先延ばし」にしているようにしか見えません。逆に、若いころはきれいな女優さんが年を重ねてお母さん役やおばあちゃん役を演じているのを見ると別の美しさを感じます。昨年亡くなった野際陽子さんなどは最後まできれいでした。自分の老いを受け入れながら年をとることはつらいかもしれませんが、そのようにして頑張っている方をみるとあこがれの念すらわいてきます。高齢化社会に向かっていると言いますがそれほど暗い世の中ではないかもしれません。若々しい高齢者の多い社会、大いに結構だと思います。年を取ることは誰にでも平等に訪れます。どんな風に老いを受け入れ、どのように年を重ねていくのか、自分たちのかっこいい「先輩」をみて考えることも必要かもしれません。

2018-02-05 19:38:37

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2017年12月1日号

今年も残すところあと少し。毎年、1年が過ぎるのが早いことを実感しますが、その割に無為に時間を過ごし、年だけ重ねていくことに焦りを感じざるを得ません。まあこれが年をとるということなのでしょう。皆さまはどのような年でしたでしょうか。12月は「振り返り月」なのかもしれません。

 

<かぜ情報>

12月初めの時点ではまだほとんどインフルエンザの流行がみられませんが、報道等では今年は流行が早いとの予想がでています。いつもそうなのですが、12月終わりの子供たちの学校や幼稚園が冬休みみに入る前にどの程度流行が始まっているかでかなり変わってきます。インフルエンザワクチンの流通の遅れから今年はワクチン接種の時期が遅くなってしまっています。何とか年内に大流行にならないように祈るばかりです。11月末頃から少しづつウイルス性胃腸炎が増えてきている印象です。不思議とウイルス性胃腸炎とインフルエンザの流行時期は重ならないようです。まだ今年はどちらが先に流行するかはわかりません。

 

<糖尿病教室のご報告>

1118日()に糖尿病教室を開催いたしました。

多数のご参加をいただきありがとうございました。少しで体も動かしいただき、運動というより体を動かすということは楽しいということを実感していだけたのではないかと思います。

また別のテーマで企画しますのでその時はまたよろしくお願いします。

 

 

<インフルエンザ予防接種について>

ご存じのようにインフルエンザワクチンの流通の遅れで11月はワクチン接種や予約受付を一時中断せざるを得ない状況となりました。その期間はワクチン接種を受けるつもりでいらした方にはご迷惑をおかけいたしました。1118日からまたワクチン接種と予約受付を再開しています。いまのところはこのまま再中断ということにはならないと予想していますがもしまたご迷惑をおかけするようなことがありましたらご理解いただきたいと存じます。そうならないようにスタッフがワクチンの入荷予測と予約の配分を日々調整しております。

 

<糖尿病コーナー>

当院に糖尿病で通院中の患者様には、毎回診察の前に血糖とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の測定、および検尿を実施しています。血糖値は食後の時間や食事の内容によって大きく変動しますがそれでもそれらの情報を勘案してみれば十分な情報になります。また、HbA1cはご存じのように約1か月前から現在までの血糖の平均的な指標になります。あくまでも平均であり決して万能な指標ではないのですが、簡単に測定でき、現在の糖尿病診療には最も有用な検査です。そこで毎回、皆さまはその数値に一喜一憂されていると思います。こちらとしては治療方針の確認や食事や運動のアドバイスをする上で参考にしていますが、ご本人にも一緒に見て確認していただきます。そしてその数値をもとに受診前までの生活を振り返っていただきたいのです。数値が上がってしまって、つらい思いもするかもしれませんが、明日からの行動に生かしていただければそれだけで意義があります。私の経験からすると、数値の増減についてほとんどの患者様は自分である程度その理由がお分かりになっているようです。「ああ、やっぱり」とい感想を述べられる方が多いです。つまり、こちらからあれこれ言う前に自分のなかで結論が出ている場合が多いのです。そして数値化したことである程度納得されて帰っていかれるようです。毎月数値化したものを突き付けられるのはつらいことでもあるかもしれませんが、食事や運動に関係ないことでもここ約1~2か月の自分の生活を振り返るきっかけと思っていただきたいです(糖尿病で通院していなければこのような「貴重な」機会はあまりないと思います)。こちらも、それをもとにご本人がお話しされることは貴重なものだと思っています。時にはどこどこに旅行に行った、など楽しいお話しを聞かせいただくこともあれば、膝を悪くして動けなかった、などつらい話を打ち明けていただくこともあります。これも含めて診療となっています。数値化して自分を振り返り次の行動にまたつながるのであれば、この検査すること自体が治療の手段にもなっていると言えるのではないでしょうか。

 

<院長の日記>

先日、宮沢賢治を特集したテレビ番組をたまたま視ました。彼の思想や行動の際立った孤高性は時代を経ても忘れられることはないようです。私にとっても以前から気になる存在でした。といってもその思想に共感するわけではありません。むしろその逆ですらあります。ひとことで言うと「ついていけない」です。それでも気になるのですから不思議です。童話作家としては間違いなく一流だと思います。特に最後の長編童話「銀河鉄道の夜」は圧倒的だと思います。完全に童話の範囲を越えています。私も子供の頃に2回くらい読んでみましたがよくわかりませんでした。年を重ね、ある時、朗読のCDを買って聴いてはじめてその深い世界に気づきました(CDをわざわざ買って改めて聴いたくらいですからどこか気になっていたのでしょう)。しかし、やはり最後はついていけません。何がついていけなのか。それは「自己犠牲」とい考え方です。主人公の内向的な少年ジョバンニは大好きな親友カンムパネルラと銀河鉄道に乗っていますが、カンムパネルラこそ自己犠牲を体現した存在であり、カンムパネルラとの永遠の別れが銀河鉄道で過ごした夜でした。宮沢賢治自身も自己犠牲を実践し、短い生涯を終えました。ちなみに自己犠牲をよりストレートに描いた童話に「グスコーヴドリの伝記」があります。ここまでくると完全についていけません。「本当の幸い」は何かという困難な問いのこたえにこの思想があるようですが、果たしてこれが「本当の幸せ」なのかはわかりません。私には厳しすぎると思います。でも、やはり気になるから不思議です。きっとついていけないと思う自分に「やましさ」のような感情があるからなのでしょうか。今回のテレビ番組でも議論されていましたが、きっと彼は天から与えられた使命感のようなものをもっていたのではないか、という見方が紹介されていました。おそらくこれまでも自己犠牲を使命感に生きた偉大な人がいたかもしれませんがここまで豊かにそれを表現できた、そこに彼の特殊性があったのでしょう。「銀河鉄道の夜」はファンタジーの作品としても一級品です。例えば独特な擬態語は音楽的ですらありますし、「天気輪の柱」などの表現は絵画的、宗教的ですらあります。ちなみに大人用の童話としサン=テグジュペリの「星の王子様」も人気がありますが、銀河鉄道の夜の方がずっと深遠だと思います(「星の王子様」は作者によるイラストとミステリアスな最期がより話題性に貢献しているように思います)。

2017-12-10 10:38:52

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2017年11月1日号

今年は夏も雨が多く、秋もそのような日が続いています。夏→梅雨→冬となりそうで、秋らしい日がないまま冬になってしまうのでしょうか。でも秋はもともと天候不順の日が多く、日本にやってくる台風も夏より多いはずでした。ちょっとでもいつもと天候が違うと何かとても不安な気持ちになるのは人間のおごりでしょうか。

 

<かぜ情報>

咳を伴うかぜが多くなっています。中には秋の吸入高原によるアレルギー性の咳も混在している印象です。

10月初めの時点ではまだ流行がみられませんが、これからはインフルエンザとウイルス性胃腸炎の流行への警戒が必要です。最近はインフルエンザよりウイル性胃腸炎の流行が先にくる傾向にあるようです。手洗いに努めていただきたいです。

 

<糖尿病教室の開催のお知らせ>

1118日() 17:00 から糖尿病教室を開催いたします。

今回は運動療法がテーマです。

場所は当院待合室です。事前の参加申し込みをお願いします。奮ってご参加ください。

 

 

<糖尿病コーナー>

糖尿病の新しいくすりについて最近の話題をご紹介します。3年ほど前に「SGLT2阻害薬」という薬が新たに使われるようになりました。この薬については以前もご紹介しました。血糖を下げるために血液中の糖を尿から体の外に出してくれる薬です。当院でもこれまで約150人の患者さまに処方しています。実は市販直後からいくつかの注意事項がつけられていました。尿の量が多くなるので脱水になりやすいというのです。確かに内服開始当初は尿が近くなったと感じる場合が多いですが、やがてそれも治まるようです。また、特に脱水を警戒して水分を多くとらなくてもほとんど脱水症状はみられないようです。一方で、尿に糖が多く含まれる、つまり甘い尿になるため膀胱炎や腎盂腎炎など尿路の感染症や女性の陰部の感染のリスクは指摘されています。たしかにこれらの副作用は少ないながらみられます。もともと女性の方が尿路感染を起こしやすいので今後ともこの薬を内服されている女性は特に陰部の清潔に努めていただく必要はあります。以上は私の処方した経験からの実感でもあります。市販直後はこのように注意事項にばかり目が向けられていましが、その後予想もしなかったようなデータが発表されました。それは心臓病の発作や心筋梗塞を予防する作用があるというものです。糖尿病は心筋梗塞や狭心症や脳卒中などの発症の危険性が高くなるのですが、これまで血糖を下げる薬やインスリンでもこれらの疾患の発症を抑えられたとする証拠のデータは得られていませんでした。ところが昨年発表された、もともとこれらの動脈硬化性のある患者群に、この薬の有害作用がないかを確認する大規模試験で、有害作用がないどころか発症を明らかに減らす作用が確認されたのです。これは世界に衝撃をあたえました。なぜこのくすりだけが心臓病などの発症を抑えてくれるのか、血糖を下げる以外にも副次的な効果があるのかなどはわかっていません。発売当初はやや評判が低く、時間とともに評価されるようになっている珍しいくすりです。
 

<院長の日記>

「遠くの親戚より近くの他人」という言葉があります。これからの世の中、血縁者よりもご近所さんどうしの助け合いがより求められことになるでしょう。しかし一方で、近いものほど仲が悪くなりやすいということもあります。地政学的にも昔から紛争は隣国ともっぱら行われてきました。日本も中国や韓国とはどうもうまくいきません。日本がこれらの国にしてしまったことは背景にあるかもしれませんがやはりそれだけではないかもしれません。日本国内でもあります。もちろん戦争になるようなものではありませんが、近くて仲が悪いのには枚挙にいとまはありません。青森と弘前は仲が悪いそうです。静岡と浜松も有名です。松本と長野にも遺恨があるそうです。そしてこの埼玉では浦和と大宮です。私は浦和の出身なので大宮のことはこころよく思っていませんでした。高校の時に浦和と大宮からそれぞれ通っている友達同士でよくけなしあっていました。浦和の側からは、県庁がある、国立大学がある、東京により近い、うなぎがおいしい、サッカーが盛ん(当時はまだ浦和レッズはありませんでした)、伊勢丹がある、などを主張しました。文化的に恵まれていることをアピールしたかったのです。かたや、大宮の側からは新幹線が止まる、そごうがある、など生活の便利さを主にアピールしていました。そういえば氷川神社もありますね。まあ、はたから見ればどうでもいいことなのですが、実は両者の対立はそれなりに歴史的な遺恨があったようです。特に県庁をどこに置くかでかなりもめたと聞いています。結果的に浦和が勝ちましたが。そんな2つの市があろうことか私が大学生のときに合併してしまいました。間にある与野市が一番特をしたような気がしてこれも納得いかないのですが、浦和市が消えてしまうのはさびしかったですし、どうも大宮は感情的に好きになれません。最近でも湘南新宿ラインが浦和駅に停まることになったときに、大宮側でぶつぶつ言って反対する人がいたらしいのです。曰く、浦和駅に停まることによって新宿に着くのが1~2分遅くなったそうなのです。これを聞いて、大宮の奴らはなんて度量が狭いんだ、大宮が埼玉の代表みたいな顔をしているからいつまでたっても埼玉はバカにされるんだ、と言ってやりたくなりました。今、一番納得いかないのは自分の車が大宮ナンバーだということです。選べるなら春日部ナンバーの方がずっといいです。

2017-11-05 20:56:16

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2017年10月1日号

朝晩の寒暖差が多い季節になりました。日によっても気温の差が出やすい季節でもあります。毎日何を着ようか、と迷うことも多くなりました。季節の変化でも暖かい気温から寒い気温、つまり気温が低い方にぶれる時期は油断すると体を冷やしてしまうことになりやすいです。冷えは体の免疫機能には悪く、また、気温が低い方が感染しやすいウイルスも多くなります。迷ったら暖かい恰好をする方が間違いはないと思います。暑ければ脱いで調節できます。寒がりで冷え症の私からのメッセージです。
 

<かぜ情報>

いわゆる「かぜ」が増えてきています。

小児ではRSウイルスが多い印象です。9月にあちこちでインフルエンザが発症したとの散発的な情報がありますが、10月初旬の時点で流行には至っていません。実は毎年、早い時期からのインフルエンザの流行ではない散発的な発症はみられます。おそらくインフルエンザのキットのおかげでインフルエンザの診断の精度や感度が確保されていることによるものだと思われます。キットのおかげで「診断しすぎ」という事態が起きているのだと思います。

風邪ではありませんが9月にO-157の食中毒による死亡者が近隣の県で出てしまいました。食中毒は報道されているよりずっと多いと思われます。子供やお年寄りなど体力がない人が感染すると命に関わることもあります。生の肉は子供にはなるべく食べさせないようにしていただきたいです。お魚の刺身も生ですが、最近では牛肉や鶏肉でも生に近いものを食する傾向があるようです。数年前に牛の「ユッケ」を食べて死亡した事件がありました。子供にはリスクだと親は自覚していただきたいです。

 

<糖尿病教室の開催のお知らせ>

1118日() 17:00 から糖尿病教室を開催いたします。

今回は運動療法がテーマです。

場所は当院待合室です。事前の参加申し込みをお願いします。奮ってご参加ください。

 

<糖尿病コーナー>

食欲の秋といいますが、運動の秋ともいいます。日頃から運動不足を実感し、いつかはと思いながら秋を迎えた方も多いのではないでしょうか。私は日頃から改めてスポーツのような運動はしなくても日常生活の動作、例えば仕事や家事の活動量をちょっと増やし、じっと座っている時間を少なくする方が実践しやすいと申し上げています。それもやはりは運動できればそれに越したことはありません。血糖を下げる効果や減量、筋力や体力の向上も期待できます。運動をなかなか始められない場合はちょっとお金をかけて「形から」始めることをお勧めします。例えばスポーツウエアをまず買ってみてはどうでしょうか。今はかっこよくオシャレで着心地の良いスポーツウエアがたくさん販売されています。大きなスポーツショップもたいていのショッピングモールにあります。スポーツウエアを着るだけでなんだか本当にスポーツマン(あるいはウーマン)になった気がします。

今はアスリートとも言いますね。着心地もよく動きやすいので体を動かしたくなります。小学生の男の子をお持ちの家庭ではお子さんがスポーツウエアを欲しがるのではないでしょうか。確かにかっこいいです。実際に自分で着てみるとその気持ちがわかります。例えばアンダーアーマーやナイキなどのブランドはちょっと高いですが普段着として使っても十分オシャレです。市道をスポーツウエアを着て走っている人はかっこよく見えますよね。女子ゴルフの選手もとてもオシャレです。少なくとも着ることによって見た目は同じになります。見る人は誰も形だけだとは思いません。私もスポーツクラブに頻回ではないものの定期的に通っています。たまには飽きてしまい足が遠のいてしまうこともあります。今までもクラブを退会しかけたことがありましたが、そんなときは新しいスポーツウエアやシューズを買って気持ちを切り替えてまた通い始めることにしています。形から入ると後から気持ちがついてくることはあります。試してみてください。


<院長の日記>

男性に聞きます。あなたはトイレでおしっこをするときに立ってしますか。それとも座ってしますか。男性でも座って用を足す人が最近は増えているようですが、私も10年くらい前から座ってしています。便座のある便器、つまり大でも小でも用が済ませる便器はそもそも座って用を足すことに対応していて、立って用をたすことには決してそぐいません。ですから小でも座って用を足すべきで、これが「正しい」ことなのです。そもそも立って用を足すこと、これにはいくつかのデメリットがあります。まず、必ず尿がはねて床に飛び散ります。どんなにうまく「ターゲット」に行っても跳ねて便器の外に飛び散ります。これを掃除する人の身になってください。私は10年前に家を新築しましたが、2階のトイレはほぼ自分と子供専用となり、家内からある程度は自分でトイレ掃除をして欲しいと言われました。するとトイレの掃除をする立場になっていかに自分が今までトイレを汚していたかを実感させられました。中学生の息子にも今はなるべく座ってするように促していますが実行してくれているかは不明です。トイレの汚れが感染などの原因にもなります。さらに男性泌尿器の構造的特性でいうならば、座った方が自分の下着やズボンも汚すことが少なくなります。立って小便をするとたまにあそこの先にわずかに尿が残ってしまうことがあります。これを落とすためにちょっとあそこを振ることをする人も多いでしょう。これは周囲に尿を飛散させる原因にもなります。そのまま構わずに「終了」として、パンツをはくとそこに必然的に尿が染み込むことになります。夫の白いパンツの黄色いシミを目にする奥さんも多いでしょう。お互い気分のいいものではないはずです。さらにその残り尿が思っていたより多い場合、下着ではなくズボンにもついてしまいます。トイレ直後にあのあたりがちょっと濡れているのを人に見られるは恥ずかしいことです。座って用を足せばこの心配は無用です。トイレットペーパーでちょっと拭いてあげればいいのです。姿勢を変えたり、ズボンや下着を脱いだり、という手間はたしかにあります。立ってすることからすればこれは面倒くさいかもしれませんが、慣れればなんということはありません。実際、人類の半分に相当する女性はそのようにしているのですから。公衆トイレや学校、職場では立ってする便器があり、トイレの混雑なども考えれば立ってすることはやむをえないでしょう。せめて自宅では座ってすることをすべての男性にお勧めします。これは反論の余地のない「正義」だと思います。


 

2017-10-05 17:30:04

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2017年9月1日号

猛暑という事前の予想に反して8月は気温が高い日が少なく、すでに秋が早くやってきそうな気候です。天気の長期的な予報というのは大変難しいらしく、やはりはじめからあまり信じない方がいいのかもしれません。天気(気象)や地震はそれに関わる要因が多すぎるため予報や予知というものははじめからなじまないものと言われています。これは経済や人生も同じで、このようなものを「複雑系」と言うそうです。予知が難しい場合には悪いことが起きた時のために日頃から備えておくか、リスクを回避する行動を心掛けるしかないと思います。

 

<かぜ情報>

8月は小児の夏風邪の定番ともいえる手足口病とヘルパンギーナが多かったです。

そのほかの特定の感染症の流行は9月初めの時点ではまだそれほどみられません。

秋が早く訪れるとすれば、対策を講じる前に気温が早く下がり、体がついていけず風邪をひきやすくなるかもしれませ。今から体を冷やさないようの心掛けていただきたいです。

 

<伊奈町特定検診のお知らせ>

6月から例年と同様に伊奈町の特定検診が始まっています。対象の方には町から案内が郵送されていると思います。予約制です。期間は9月までですが、毎年期間の終わりごろに予約が殺到しますので早めの予約と受診をお願いいたします。

 

<糖尿病コーナー>

糖尿病は「疾患」として捉えられ、医師が治療の中心であるべき、というのがかつての考え方でした。確かに糖尿病の診断や薬の処方は医師にしかできません。医師は当然勉強して最近の知識を身につけておくべきです。そしてそれを患者様に還元してくことで高い治療効果を目指すべきです。しかし、ご存じの通り、糖尿病は生活習慣病としての側面も大きく、患者様自身の行動が治療に大きく反映されます。ですから、糖尿病は患者中心であるべきというのが最近の考え方になってきています。また、患者様と医師だけではなく患者様を含めたチームで治療にあたるということが世界的にもスタンダードになってきています。チームというくらいですから、患者様と医師だけではなく、看護師、栄養士、薬剤師なども治療に「参加」してもらいます。医師の役割は案外大きくないのかもしれません。そこで糖尿病療養指導士という資格制度がわが国にも存在し、糖尿病医療を専門にしている医療機関を中心に大いに活躍されています。糖尿病療養指導士は看護師、栄養指導士あるいは薬剤師の資格をもち、さらに糖尿病に関わる研修、試験を受けてのちに資格を取得することになっています。資格取得後も定期的に講習や研修に参加、さらには糖尿病治療の現場で活躍することで資格単位の維持が求められます。医師と患者をつなぐ役割だけではなく積極的に「チーム」を引っ張っていくことも求められます。当院でも今年になり1名の看護師がこの資格を取得し、日々頑張っています。患者様に食事や運動、そのほかの生活面のアドバイスをさせていただいたり、お薬やインスリンの使いかたについても必要に応じてお話しできるようにしたりしています。また医師には言いだしにくいことについてもお話しをうかがわせていただきますので、どうか気軽にお話しください。糖尿病療養指導士の数はわが国では糖尿病患者数に比べればまだまだ少ないのが現状です。そこでそれを補うべく都道府県単位で「地域糖尿病療養指導士」の制度があり、埼玉県でも昨年からスタートしました。先ほどの糖尿病療養指導士の他に当院でも2名の看護師が資格を取得しています。当院でも今後は糖尿病教室の開催(一時中断していましたが)、院内でのカンファランスなどチーム医療を少しずつ発展させていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。あくまでも中心は患者様ですので、こうしたい、ああしたい、という希望がありましたらお申し出いただきたいですし、決してこちらから一方的に押し付けるような医療はしないように心掛けます。

 

<院長の日記>

「おばあさん仮説」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは人類の発展を説明する真面目な学問的用語です。我々が「人類」として繁栄している生物種は「ホモ・サピエンス」と分類されますが、多様な霊長類の中でもこの生物種がここまで発展した理由として様々なものが挙げられます。脳の容積の増加、二足歩行が可能になる骨盤の形態の変異とそれに伴って前足が「手」として自由に使えるようになったこと。さらに言葉を使用することと、それによりお互いのコミュニケーションが可能になるとともに抽象的な思考が可能になったことなどです。ここまでは聞いたことがあるでしょう。さらに登場する重要な存在が「おばあさん」です。いきなりおばあさんと言われても違和感を覚えるかもしれません。あらゆる動物種のなかで生殖年齢を過ぎてもさらに長く生きることができるのは人間の女性のみと言われています。人間の女性はもともと持っている卵子の一部のみを使った時点で閉経となり生殖機能がなくなってしまいます。これは実は不思議なことなのです。ところが生殖をあきらめることによるメリットがあります。ひとつは出産自体が母親自体の生命のリスクになるのですが、これを回避できることになります。また、自分の娘が母親になった(あるいは息子が父親になった)ときにその育児をサポートできます。実は、人間の育児というのは多くの労力を必要とします。生まれてすぐに自分で立ち上がることができる動物もいる一方で、人間の子どもが独力で生きていけるようになるためには多くのコストと年月がかかるのです。ただし、成長した人間というのは他の動物種に比べて知能の優位性は圧倒的です。つまり、産まれたばかりの状態と成長した状態での差が最も大きいので成長過程における「伸びしろ」が大きく、その分コストもかかるのです。そこに登場するのがおばあさんです。おばあさんという存在の出現により、子供の成長や教育の補助、母親世代への生活の知恵の伝承が可能になったのです。これにより人類は出産後の環境が劇的に改善し、より繁栄できるようになった、これが「おばあさん仮説」です。結構説得力のある仮説です。「おばあさん」をより拡大解釈すると、子供は共同体でみんなで育てるということが理想ともいえます。ある政治家が「女性は子供を産む〇〇」だ、と発言して物議をかもしたことがありますが、人類学という学問的な観点からすればまったくの的はずれな意見となります。女性は閉経後も社会的に大いに貢献しているのです。また、女性一人であるいは核家族で子供を育てることは並大抵なことではないのです。さらに、結婚や出産をしていなくても人類という生物においては種、あるいは共同体の繁栄に大いに貢献できるのです。子供は共同体の宝ですし、それを母親にばかり押しつけるのはそもそも無理があるのです。やっぱりおばあさんの作るお味噌汁はおいしいですよね。

2017-09-05 15:38:23

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2017年8月1日号

やはり今年の夏は7月から暑い日が続いています。今年は熱中症や、そこまでではなくても夏バテのようになって体調を崩してしまう方が多い印象です。特にご高齢の方には注意が必要です。ありきたりの言い方ですが適切に空調を使っていただき、水分補給をしていただきたいです。トイレに行くのが億劫で水分補給を控えるかたもいらっしゃいますが、ご家族の方でも注意して見守っていただきたいです。子供や障害のある方が自動車のなかで熱中症で亡くなったといったいたましいニュースもありました。それだけ暑さが殺人的なものと理解していただきたいです。学校の部活動を指導監督している先生にも十分な配慮を求めたいです。
 

<かぜ情報>

小児の夏風邪の定番ともいえる手足口病とヘルパンギーナが増えています。

また、そのほかにも発熱が主症状のかぜも多いです。これも夏風邪としていよくみられるタイプで多くはウイルス性であり、高熱のわりに比較的元気で咳や鼻水はあっても軽度の売がほとんどです。抗生剤がなくても治ることがほとんどです。
 

<伊奈町特定検診のお知らせ>

6月から例年と同様に伊奈町の特定検診が始まっています。対象の方には町から案内が郵送されていると思います。予約制です。期間は9月までですが、毎年期間の終わりごろに予約が殺到しますので早めの予約と受診をお願いいたします。
 

<夏季休診のお知らせ>

810日(木)~815日(火)は休診とさせていただきます。
 

<糖尿病コーナー>

暑い季節にはジュースやアイスが欲しくなる方が多いでしょう。しかし私は以前から糖尿病の患者様にはジュースとアイスには十分注意してください、とか、控えてください、と申し上げています。以前にも説明させていただきましたが、今回も改めてまとめてみたいと思います。ポイントは糖の吸収のスピードです。糖尿病とは自分で血糖が下げられなくなる状態をいいますが、食べ物や飲み物をとることで体に消化吸収された糖を下げるスピードも遅くなります。下げるスピードが遅いのに吸収が早い糖が体に入ってくるとますます対応しきれなくなり、結果として著しく血糖が上がってしまうのです。最も消化と吸収が早いのはやはり糖そのものです。逆に糖に消化されて吸収されるまでの時間が遅いほうが血糖は自分で下げやすくなります。ジュースやアイスは糖が水に溶けているだけ、とも言えます。体調が悪くて消化する力が落ちていたり、食欲がないときにはジュースは栄養摂取には極めて有用なのですが、そうではないときには糖の「毒性」がストレートに発揮されると思っていただきたいです。糖の消化や吸収が遅くなる条件として、例えば糖以外の添加物が混ざっている場合、あるいは糖そのものが入っていなかったり、分解されてはじめて糖になるものが含まれている場合などです。お米は炭水化物として認識されていますが、糖そのものは含まれていません。分解、消化されて糖に変わるデンプンを含むのです。また多少の食物繊維を含みます。ですからジュースよりは多少は消化吸収のスピードがおくれます。ちなみに、炭水化物 = 糖質 + 炭水化物 と定義されます。炭水化物は糖(質)よりも消化吸収は遅いですがそれでも糖になりますのでやはり摂りすぎには注意が必要です。ごはんを口のなかで噛み続けると唾液に分解されて糖になるので甘く感じるはずです。食物繊維以外にも糖の吸収を遅らせるものはあります。例えば油です。油は胃腸の動きや働きも抑えます。ごはんにカレーをかけて食べると糖の消化と吸収がさらに遅くなります。カレーには油を多く含むためです。昼にカレーライスを食べると夕方あたりに血糖上昇のピークがくることがあります。カレーライスがいいというわけではありません。カレーをかけると食べると結局はごはんの量が増え、つまりは糖の摂取量が増えることになります。インスリン注射で治療している場合にはインスリンの効果のタイミングがずれやすくなり注意が必要です。糖そのものは甘くてリラックス効果もありますが「毒」ともなりえます。そして毒に何も手を加えずにそのままストレートに体に入れるのがジュースだと思ってください。ちなみに微糖の缶コーヒーやスポーツ飲料にも多量の糖が含まれています。それぞれコーヒーの風味や酸味で甘さを和らげてスッキリ感が出るようにしていますがこれもジュースだと思っていただきたいです。
 

<院長の日記>

前回の続きです。昔と違って、今は睡眠を削って遅い時間まで仕事をしていることが必ずしも美徳とは言えいないという風潮になってきました。また、睡眠不足や睡眠サイクルの不均衡により様々な健康被害がもたらされることにも触れました。しかし、いくら個人で努力しても限界があるのも事実です。糖尿病の患者様に「早く寝るようにしてください」と言っても仕事が終わらなければ、なかなか実行できませんし、そもそも夜勤などをしている場合にはどうにもなりません。私も自分で言っておきながら達成不可能なことを思うと絶望的な気持ちになります。これは社会全体で変えていくしかないと思います。そもそも日本人は先進国のなかでも睡眠時間が最も少ないと言われています。言い換えれば睡眠を最も軽視している国となります。様々な要因があるかもしれませんが、国を挙げて早く寝る環境を作らなければなりません。ここからは私の考えた勝手な構想です。そもそも日本の夜は明るすぎるのです。特に都会は本当に明るいです。コンビニは24時間営業していますし、公共交通機関も深夜まで運行されています。深夜に幼い子供をコンビニやファミレスで見かけることもあります。そこで、まずは国や自治体が深夜の営業を制限するのです。そもそもセブンイレブンはその名の通り7時から11時までの営業でした。深夜の営業は日本人が得意の行き過ぎたサービスなのです。完全に制限しないにしても地域で深夜に営業できる店の数を制限するのです。これから人口が減る日本ではただでさえ働き手の不足が懸念されています。深夜営業を制限すれば日中の就労者の供給が増えることが期待されます。公共交通機関もより早くに運行を終わりにします。すると否が応でも通勤者は早く帰るようになるでしょう。テレビも23:00くらいで放映は終わり。これらの施策により日中の眠さからくる作業効率の低下が防げるでしょう。みんな昼間に元気に仕事をするのです。夜間の消費電力も節約できます。夜に買い食いすれば太り易くなりますがそれも避けられるかもしれません。いいことずくめだと思います。ただし、これには今までの便利すぎた生活をあきらめるという覚悟が必要になります。買い物は日中に済ませておくしかありません(考えてみればこちらの方が当たり前かもしれません)。サービス産業の縮小による経済規模の縮小が懸念されるかもしれませんが、コンビニが24時間営業しているのは先進国では日本くらいです。以前、学会でドイツのベルリンに行ったことがありますが、首都ですら23時を過ぎると営業している店はごく限られたところだけでした。夜にコンサートを聴ききに行き、その後どこかで夕食をとろうとしてもなかなか営業しているお店が見つからなかったのを覚えています。それでもドイツはヨーロッパでは圧倒的な経済大国です。もちろん夜勤をなくすことができない職種も一定数存在しますが、そこに人材を供給するためにも他の職種は可能な限り日中に仕事をしてもらうのです。夜は暗く静かにしてさあ、みんな寝ましょう、という国は素敵だと思いませんか?

2017-08-10 13:10:55

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